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ワガママ ページ11

▽side 坂田銀時▽

俯いたまま顔を上げようとしないAに触れていいものかどうか。中途半端な位置で固まった自身の右手を、結局そのまま引っ込めた。

惚れた女には危険な目になど遭ってほしくない。

1度でもコイツに手を伸ばしたのは間違いだったのだろうか、と後悔に傾きかけた感情を必死に掻き消す。
そんな後悔をしたところで、今さら身を引くつもりもないのだから。


「・・・拒絶してるワケじゃねェんだ。ただ、お前はそのままでいてくれ。」


少し前まで掴みどころがないと思っていたAを隣に置いている今。


「お前が言ってる護る(・・)ってのは、物理的な攻撃だの傷からって事だろ」


顔を覗き込むようにして問えば、Aは小さく頷き肯定を示した。


「良い機会だから言っとく。俺ァ、お前に護られる気はねェ。けど、前に言った地の果てまで追ってくるタイプだってのを撤回するつもりもねェ。」


矛盾なんて百も承知だ。
俺の勝手だってことも分かっている。

それでもいつか「丸ごと受け止める」覚悟を認め合ったAには、伝えたいと思った。


「どこに行こうが追っかけて来いよ。そんで、俺が帰る場所であってほしい。」

「・・・ワガママ、だね」

「ワガママだよ俺は。」


危険だから来るな。普通のままでいろ。
そんな突き放すようなことを言っておきながら、コイツがいない日々を過ごす気は欠片も無い。
これ以上ないほどにワガママだと、自覚は充分にある。


「・・・分かった、良いよ」


強制的に気持ちを押し殺したらしいA。
そうしてやっと表情が見えた。

Aの表情に悲しみだとか怒りだとか、そんな負の要素は全く見当たらない。

ひどく穏やかな──笑み。


「お前・・・」

「安心、してるの」

「安心?」

「別れるって言われるかと思ってた。周りを巻き込みたくない人なんだろうなって、もう知ってるから。」


呆れたように視線を向けてくる彼女に胸が痛む。

そんな風に思っていたのに、「護らせてほしい」なんて口にしたのは多分・・・


「俺の為、だろ」


1人じゃない。1人で行くな。

本当は、お前はそう言いたかったんだよな。


「・・・違うよ。私が置いていかれたくなかっただけ。」

「それならそういうことでも構わねェけど」


わざとらしく口元を緩ませたAに何故だか負けたような気分になって、悔しさ半分に唇を重ねた。

乾ききらずに残る涙の跡は、今は見てみぬふりをしてやろう──。

降参→←北極と南極のどちらも寒いんだし天国と地獄の内情も実質一緒なはず



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ξεグリムэЭ(プロフ) - えだまめンヌ。さん» ありがとうございます!ログイン情報を忘れて長らく更新できなかったアホなのですが(笑)引き続き頑張ります! (2020年9月2日 2時) (レス) id: 69bdc7b84c (このIDを非表示/違反報告)
えだまめンヌ。 - しっかり掴まれていて、リアル銀魂!って感じが凄いなと思いました笑ええぇ…未だに驚かされています笑銀さんの生き様だとか、そういうものも盛り込まれていて一気に引き込まれました。この作品大好きです!!応援しています!! (2020年6月18日 16時) (レス) id: 510c711c3f (このIDを非表示/違反報告)
えだまめンヌ。 - 昨日の夜この作品を見つけ、次の日が学校という事も構わず一気読みしてしまいました笑めっっちゃ面白い!!こんな事があったら、きっとキャラはこういう事を言うんだろうな、するんだろうなという部分を→ (2020年6月18日 15時) (レス) id: 510c711c3f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ξεグリムэЗ | 作成日時:2019年3月22日 6時

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