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面倒事の予感 ページ24

▽side 坂田銀時▽

1週間と数日ぶりに再会した女は、クビになったと愚痴を溢し続けて。

あの日いつの間にか眠ってしまっていた俺が目を覚ませば、視界に入ったのは久しぶりのちゃんとした食事と置き手紙。
礼とホテルに移る旨だけが記された簡潔なそれは、なんだかさっぱりしすぎなようにも感じられた。
それでもこの約1週間、コイツがどうしているのかずっと気になっていたのは、用意されていた食事が想像以上に美味しかったからだろうか。


「ところで、これからどうすんだ?」

「決まってません。とりあえずホテルのお金は十四郎が出してくれますし、野宿することにはならないので。」

「ま、雨風さえ凌げりゃあな。」

「土方さんにはクビになったこと言ってないんですか?」

「十四郎とはアパート破壊の日に会ったのが最後。ホテル代は後でまとめて支払うって話をつけてくれてるみたいだし、会う機会もないっていうか。」

「機会も何も、兄妹なんだから普通に会えば良いアル。」


その言葉に苦笑いを浮かべた様子からして、また変にマヨラーとの関わり方を探っていると見える。

・・・気長に待てと言ったはずだけどな。

それは会うこともせず大人しく待て、なんて意味ではなくて。
変わらず接してそのうち変化が起きるその時を待て、という意味のつもりだった。

コイツには伝わっているものだと思っていたが。


「・・・家族の代わり、って言われて。」

「代わり?」

「父は遊び人だったけど、父親としては大好きでした。母は父が亡くなったあと必死に私を育ててくれて、感謝してます。十四郎には、ずっとお金のために会いたいと思っていたけど、いざ会えたらお金以外に大切なものが見えた気がするし。」

「そんな大事な家族の代わり、ねェ。確かに怒鳴り付けたくもなるわな。」

「あのとき無意識に十四郎を家族にカウントしたんです。でも十四郎には完全に信用されてはいないし、一方通行じゃないですか。冷静になると、それが結構グサっと来るんですよね・・・。」


コイツと出会ってから今までのことを思い出し、小さくため息を吐いた。

あれだけ嫌いだと言っていた俺がいる万事屋。
本来ならクビになったことも真っ先に兄貴に話したかったのだろうに、天秤にかけて万事屋に訪れるほどには迷いを抱えている。

ようやく探していた家族を見つけて、はい解決、とはならないのが普通ではあるが、この場合コイツも考えすぎなのだ。

・・・ったく。面倒事は避けたいってのに。

貸し→←朝食と置き手紙



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ξεグリムэЭ(プロフ) - 白桜姫さん» コメントありがとうございます!ただいま編集作業行なっておりますので、公開まで今しばらくお待ちくださいませm(_ _)m (2018年11月12日 3時) (レス) id: 0498653311 (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 続き見たいです (2018年11月9日 1時) (レス) id: 6519ad1531 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ξεグリムэЗ | 作成日時:2018年5月15日 5時

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