朝食と置き手紙 ページ23
｢･･･ということで、クビになりました。｣
経緯を話し終えた私に向けられる冷たい視線、計3人分。
｢いくらなんでもクビになるのが早すぎるヨ。｣
｢そもそもAさん、強いお酒飲めなかったんですね･･･｣
｢だって！無理に飲まなくても、うまくやってくれれば良いって言うから！｣
｢客を怒鳴り付けるどのあたりが『うまくやってる』ことになるんだ？｣
｢妾なんてふざけたこと言われたので。それに水と同じグラスにマルガリータって！私は悪くないです！｣
悪くない、私は断じて悪くないぞ。
お分かりの通り、私は勤務1週間と少しですまいるをクビになった。
お客様を怒鳴り付けた件だけならば｢感情的になってしまい申し訳ありませんでした｣と、猛省することで済んだかもしれない。
しかし水と間違えて度数の強いお酒を飲み干したあげく、私はどうやら男の目の前で嘔吐してしまったらしいのだ。
さらにはその後、何事も無かったかのように爆睡していたというのだから救いようがない。
｢全てはあの紛らわしいグラスのせいだ！｣
｢なんなんだよお前ェは。黙って出て行ったと思えば、1週間そこらでコレか。｣
｢黙って出て行ったりしてません。置き手紙は残しましたよ。｣
あのアパート破壊の日、万事屋のソファーで眠った私。
起床して万事屋と少し会話したあと、ブラブラと町を歩いてみたところ･･･なんとアパートを破壊した本人に遭遇してしまったのだ。
｢うわっ･･･！｣
｢あ、アンタ･･･｣
｢･･･夢なら覚めて｣
｢随分と酷ェ嫌われようで｣
｢誰のせいで家に帰れなくなったと思ってるんですか？｣
｢土方さんから桂を追えとの指示だったんでさァ。文句ならアンタの兄上にどうぞ。｣
あの黒い笑みを見て、十四郎も憎たらしい部下を持ってしまったもんだ、と少し同情した。
だが沖田さんに遭遇したことでマイナスしかなかったかと問われれば、そうでもない。
沖田さんが連絡しまくったホテルの1つから、空き部屋が出たと教えてもらえたのだ。
1度万事屋に戻って、すぐにでも移動しようと荷物をまとめたまでは良かった。
それなのに｢何かお礼をするべきではないのか｣なんて変な気持ちになったのはどうしてだったか。
急いで買い物に行き、簡単に食事なんてものを用意したりして。
万事屋に戻ってきたときから眠ったままの銀髪を起こすことはせず、置き手紙を残して私はホテルへと移ったのだった。
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ξεグリムэЭ(プロフ) - 白桜姫さん» コメントありがとうございます！ただいま編集作業行なっておりますので、公開まで今しばらくお待ちくださいませm(_ _)m (2018年11月12日 3時) (
レス) id: 0498653311 (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 続き見たいです (2018年11月9日 1時) (レス) id: 6519ad1531 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ξεグリムэЗ | 作成日時：2018年5月15日 5時
