マルガリータ ページ22
｢･･･それ、端的に言うと妾ってことでしょうか。｣
恐らく今の私の目は酷く鋭いものになっているのだろうが、男は話に夢中で気付く様子はない。
｢簡単に言うとそうなるね。俺、それなりの稼ぎはあるし、Aちゃんにとって悪い話じゃないと思うよ。｣
･･･この男の頭をかち割ってみたい気分だ。
別にそれは物騒な意味ではなく、純粋にこんな思考になる頭を覗いてみたい。
確かに私もお金は大事だと思うし、そのためにキャバ嬢になったのだから、資金援助に関してバカにされているだとか言うつもりはない。
ただ──。
妾、という響きは嫌いだ。
｢私、そういうつもりはないので･･･｣
本当なら殴ってしまいたいところを、必死で堪える。
ここで居酒屋をクビになった歴史を繰り返すわけにはいかない。
それ以前に、私が問題を起こせば紹介してくれたお妙さんの顔に泥を塗ってしまう。
｢いや、よく考えてみてよ！キャバ嬢やってるくらいだし、苦労してるんでしょ？｣
｢十分生活できてますから。｣
しつこい･･･。
断られると思っていなかったのだろうか。男の口調がムキになってきたように感じる。
｢もし家族も頼れないようなら、俺を代わりに家族として頼ってくれて良いからさ！｣
そんな何気ない言葉と共に、男の手が腰をなぞった。
瞬間、ゾワリ──と寒気が体を駆け抜けて、私の我慢は限界を迎えたのだ。
｢･･････ふざけんな｣
｢え？｣
男の手を捻り上げるまでは僅か数秒。
｢ふざけんなって言ってんだよ！･･･家族の代わり？お前が？冗談にしちゃ面白くないけど？｣
私自身、触れられたことに対する拒絶が大きいと思っていたけれど、どうやらそれは勘違いだったようで。
頭の中に浮かぶ、両親と十四郎の顔。
こんな男に｢家族の代わり｣だなんて言ってほしくない。
色々な感情がごちゃ混ぜになった脳内で、十四郎を自然に家族とカウントした自分を嘲笑した。
あのバズーカでのアパート破壊事件以来、十四郎には会っていないし、会っている回数だけで言うならこの男と同程度だ。
完全に妹として認められていないことだって理解しているのに。
それでも思ってしまったから仕方ないか、なんて。
十四郎も私の家族──。
この男が両親や十四郎と同じ土俵だなんて、笑えない冗談にも程がある。
｢笑点なら座布団全没収だわ！｣
そう言って飲み干した水が
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ξεグリムэЭ(プロフ) - 白桜姫さん» コメントありがとうございます！ただいま編集作業行なっておりますので、公開まで今しばらくお待ちくださいませm(_ _)m (2018年11月12日 3時) (
レス) id: 0498653311 (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 続き見たいです (2018年11月9日 1時) (レス) id: 6519ad1531 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ξεグリムэЗ | 作成日時：2018年5月15日 5時
