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チャンス ページ12

居酒屋をクビになった当日。
私はその日の夜から、キャバクラ初出勤の予定となっていた。

万事屋の新八くんは仏だ。
十四郎や坂田さんよりよっぽど使える。
おかげで新八くんの姉、お妙さんと繋がりが出来た私は、トントン拍子にキャバ嬢デビューが決まった。
加えてお給料の日払い交渉まで成功したのだから、自分史上最高の偉業である。

アパートを出てから振り返り、ボロい外観を睨み付けてみた。


「近いうちにもっと良い所に引っ越してやる!」


キャバクラで将来の旦那様でも見つけるかなぁ、なんて望みの薄い願い。
キャバクラに来る客なんて、ほとんどが奥さんに内緒で豪遊して、家で怒られるお決まりパターンだろう。

旦那は無理でも資金援助くらいは・・・って、妾にでもなるつもりか私は。
断固お断りだ。

お金は欲しいけれど、妾なんてものにだけは成り下がりたくない。

そういえば同じく妾の子である十四郎は土方家で生活していたと言ったけれど、彼も苦労したんだろうか。


「あの銀髪は惰性で生きてそうだな・・・」


ふと頭に浮かんだ銀髪のムカつく男。
十四郎から連想したのは、なんとなく雰囲気が似ているからなのか。

いつの間にか辿り着いていた『すまいる』の看板前。
今日からここが私の職場。


「Aさん!」


後ろから女性らしい綺麗な声が届く。


「お妙さん。今日からよろしくお願いします。」


彼女もこれから出勤らしく、私たちは揃って店の中へと入った。
キャバ嬢の控え室には、まだ私たち以外は見当たらない。


「何か困ったことがあったら、なんでも言ってくださいね。」

「ありがとうございます。」


優しい雰囲気。
真選組に彼女のストーカーがいると言っていたけれど、きっとこの優しさに漬け込まれたんじゃないだろうか。


「今日は私のヘルプに入ってもらおうと思うんですけど、ゲストも呼びましたから。気軽にやってください。」


・・・ゲスト?
これはお妙さんのツテで上客を相手するチャンスでは・・・?

帰りはどれだけの額を手にしているのだろう、なんて浮き足立つ気持ちをなんとか落ち着けて。


「精一杯、頑張ります!」


私は仕事のスイッチへと頭を切り替えた。

人選ミス→←花は団子を引き寄せる



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ξεグリムэЭ(プロフ) - 白桜姫さん» コメントありがとうございます!ただいま編集作業行なっておりますので、公開まで今しばらくお待ちくださいませm(_ _)m (2018年11月12日 3時) (レス) id: 0498653311 (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 続き見たいです (2018年11月9日 1時) (レス) id: 6519ad1531 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ξεグリムэЗ | 作成日時:2018年5月15日 5時

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