ハイリスクハイリターン ページ31
「始末屋・・・?」
「そうよ、それが私の仕事。ただ今回のターゲットはどうも厄介なの。私の顔は知られてしまっていて、迂闊に近付けない。」
「つまり顔の知られていない囮が必要、と。」
「そういうこと。」
・・・危険な匂いしかしない。
「安心して。ターゲットが確認できたら、すぐに仕事を済ませる。あなたの安全は保障するわ。」
「でもそれなりの報酬額ってことは、リスクありきの仕事ですよね・・・。」
「あら、怖いの?そんなんじゃ銀さんの女にはなれそうもないわね。」
「なりたくないので大丈夫です。」
「おいお前今、全国の銀さんの女になりたい奴を敵にまわしたぞ。」
「片手で数えられる人数だろうし問題ありません。」
「5人か、多くて5人だと言いたいのか。いや待てよ、その中に結野アナもいるかもしれないし・・・」
隣で勝手に盛り上がる万事屋はさておき、ハイリスクハイリターンのこの仕事を受けるべきか否か。
「まぁ、死ななければ良いか」
どちらにしろこのまま無職でいても、未来に希望なんてないわけで。
少しスリルのあるバイト、くらいに考えればなんてことはない。
「・・・やりますよ。やらせてください。」
「そう。良かったわ受けてもらえて。じゃあ当日
そう言って彼女は、確かに『仕事の顔』をして去っていった。
「あーあ、俺は知らねぇからな。」
「まぁ・・・なんとかなりますよ、多分・・・」
さて、私は基本的に楽観的、というか物事を深く考えないタイプではある。
妾の子として生まれ、家族と呼べる人もいなくなり、義兄を探して江戸に出てくれば万事屋なんかと出会ってしまうわ、見つけた義兄はチンピラ警察だわ、ろくな人生ではない。
え?チンピラ警察とか言って十四郎に怒られるって?
大丈夫だ、口には出さないから。
そして自宅を破壊されて仕事もない今、これ以上どんな厄介事に巻き込まれても受け入れられるくらいの自信はある。
それに。
「何かあったら彼女に引き合わせた万事屋の責任ってことで。」
「お前が会わせろって言ったんだろーが!」
「さあ?記憶にありませんが。」
「・・・本当に本性真っ黒だなお前」
「あなたには負けます。」
本性が真っ黒じゃない人間なんているものか。
人は皆、黒さを隠して生きているものだ。
異論は認めない。
108人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ξεグリムэЭ(プロフ) - 白桜姫さん» コメントありがとうございます!ただいま編集作業行なっておりますので、公開まで今しばらくお待ちくださいませm(_ _)m (2018年11月12日 3時) (レス) id: 0498653311 (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 続き見たいです (2018年11月9日 1時) (レス) id: 6519ad1531 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ξεグリムэЗ | 作成日時:2018年5月15日 5時