大事な依頼 ページ1
▽side 坂田銀時▽
「また定春の散歩俺に任せやがって・・・」
飼うと決めたなら責任を持って世話をしてほしいもんだ。
散歩を頼む内容のメモを置いて、俺が寝ている間に遊びに出掛けたらしい神楽。
「ったくよォ・・・定春行くぞ〜」
渋々定春のリードを引っ張って家を出ようとしたところで、同時に戸を開けた者がいた。
「あっ!ごめんなさい!」
「こっちこそ。もしかして・・・依頼か?」
「あ・・・そうです。インターホン鳴らしたんですけど、反応がなくて。失礼かとは思いましたが、中の様子をうかがおうかと・・・。」
「あーそりゃ悪かったな。今インターホンぶっ壊れてんだわ。」
どこぞの
確かに家賃を払っていないのはこちらだ。
回収にキャサリンやたまが来ることもある。
しかし、たまが来たときはインターホンから玄関から、全てを破壊されることも少なくない。
家賃に加えて修理費までこちら持ちなんて、一生家賃払える気がしねェよ・・・。
最近は依頼がなかった最悪の状況で、目の前に立つこの女は、
「幾らでもお支払いします。依頼を受けていただけないでしょうか?」
と丁寧に頭を下げた。
断る理由はねェ。
「なるほどな・・・。よっぽど大事な依頼と見た。好きにくつろいでて構わねェからよ、中で待っててくれ。」
「え!?さすがに無人のお宅に上がるわけには・・・。」
「無人、でもねェから。・・・まぁとにかく上がれ。」
1度定春を待たせてから、依頼人の女と共に中へと戻る。
「おい、そこの変態メガネ。」
引き出しを開ければ案の定。
「依頼人が来てんだけどよ、これから定春の散歩行かなくちゃならねぇんだ。どうせお前この家のこと知り尽くしてんだろ?お茶でも出してやってくれや。」
「どういうつもりよ銀さん!私に他の女をもてなせって言うの!?それとも何?銀さんの妻としてこの家の留守を守れってことかしら?」
「違ェよ、お前は新八の身代わりだ」
今日に限って休みを取っている新八の身代わり。そうでしかない。
要するに雑用係だ。
「じゃあ頼んだぞ」
後ろで引いた表情をして立ち尽くしている依頼人。
無理もない。
依頼に来たら、デカい犬とストーカーを目の当たりにしたのだから。
それでも日を改めようなどと言い出すこともなく。
そこまでして依頼したい内容とは何なのだろうか。
この日この依頼人を招き入れたのが間違いだったと、俺はすぐに思い知るのだが──。
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ξεグリムэЭ(プロフ) - 白桜姫さん» コメントありがとうございます!ただいま編集作業行なっておりますので、公開まで今しばらくお待ちくださいませm(_ _)m (2018年11月12日 3時) (レス) id: 0498653311 (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 続き見たいです (2018年11月9日 1時) (レス) id: 6519ad1531 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ξεグリムэЗ | 作成日時:2018年5月15日 5時