怯える ページ15
思い出した。私が春雨に来た理由と共に、私が地球に返された理由。私が強くなるため。その理由で送られたことはわかっていた。
問題はその過程だ。
彼は………神威は私の彼氏であり、私にやさしく接してくれた。初めは私を地球に行かせて強くすることに反対だったらしい。そのため、神威直々に稽古をつけてくれた。ただ、彼は夜兎。私は人間。力の差が目立ちとうとう倒れてしまった。
『グハッ!ゲホゲホ神威…ッもう……ッ』
「まだまだ行けるでショ?」
ドン!
バフドン!
バタ。
「おーいA?ダイジョーブ?」
もう無理……。こんな人と付いていけない。
でも、
「俺、Aとは離ればなれになりたくないんだ。Aにも大切な人と離れたくない気持ち…分かるでショ?」
こうやって優しく抱き締められると、頑張らなきゃって思ってしまう。
でも、その言葉もフェイク。聞いてしまった。
「阿伏兎〜Aやっぱり強くなんないからちきゅうに送っといてネ!」
それ以来何も信じられない。おまけに
「この国は慈悲深い人が多いそうだから、軽く傷付けておいたら優しい人に拾って貰えるんじゃない?」
と言ってボコボコにされた。だから近藤さんが拾ってくれたときのようになっていたんだ。
『やっと……、答えが出た。』
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作者名:りん x他1人 | 作成日時:2018年6月22日 17時