【銀魂】無表情な俺と正反対な周囲逹【男主】

第３７魂 ページ37

神威の表情が、暗くなる。


「……その、半年後。
母さんが原因不明の病で倒れた」


『！』


「寝る間も惜しんで家族全員が看病してたのに母さんの症状は、むしろ酷くなる一方で……」


──そんな時だったかな。 風の噂で母さんが病気だと聞きつけ、お偉いさん逹がまたやってきたのは……


「お偉いさんは、こう言ってきた。母親の病気は、国の技術で治せるかもしれない。良かったら、助けよう。ただし、こちらの頼みを聞くのなら」


『！、まさか……』


「Aの思っている通りだよ。交換条件だ。母親の病気と引き換えに、お前ら家族は国の一部として戦え」


それは、道具になるか
母親を見殺しにするか選べということ。


「アイツらは、俺達に隙が出来るのを待っていたんだ。不利な交換条件を付けるためにね』


『………………』


思わぬ、壮絶な過去。神威は静かに話した。


「でも、父さんは奴らの条件を呑まなかったんだ」


『！、何故……』


確かに。条件を呑まなければ、道具にされる事は無いが、それでは母親を見殺しにする選択になる。


「……簡単な話だよ。俺と妹を道具にするくらいなら、母さんは喜んで、自らの命を捨てるからさ」


『！』


「母さんは病に掛かった時から、既に死ぬ覚悟をしていたんだヨ。自分が交換条件のエサにされるって事もね……」


苦痛と怒り。
そして、何も出来なかった悔しさ。

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