【銀魂】無表情な俺と正反対な周囲逹【男主】

第３６魂 ページ36

『国からの追放……？』


「「！」」


Aの声に阿伏兎と云業がパチクリと目を開ける。その事実は、二人とも知らされてなかったらしい。


「まあ。表向きは、ね」


神威は黒い雲を見つめて言った。


「お偉いさん達はさ、俺達を国の
戦闘道具として利用しようとしてたんだ」


『！』


「昔に一度、お偉いさん逹が家を訪ねてきた事があってね。生活を援助する代わりに国の一部として戦わないかって言ってきたんだよ……」


そう言いながら、苦笑気味に頬を掻く。


「少しオブラートに包んでるけど、要は国のために、戦闘兵器へなれって事だろ？ 全く冗談じゃないよね。勿論、父さん逹もその意図に感づいて、協力を拒んだヨ」


風でサーモンピンクの髪が揺れる。


「──まあ、あの二人の場合。幼い俺と妹を戦いに巻き込ませたくないって言うのが、本音だと思うけど……」


『………………』


「それで、ソイツらは父さんが断ってから
一回も家に顔を出さなくなったんだ。俺らも時が経つに連れて、意外と物分かりの良い人だったんじゃないかって、思い直し始めたんだよ」


──俺は、それが奴らの狙いだと
気づかなかった。


──同時に、全ての歯車が狂ったのも
この時かもしれない……。


──俺が、弱い奴を嫌いになったのも
これが、原因だったんだ。

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