第32魂 ページ32
『……感謝する』
色々あって、夜兎工三羽烏から食べ物を恵んでもらった。
云業が貸してくれた弁当の蓋に、エビフライとオニギリ。神威からは、一番サイズの小さいクロワッサンを乗せられる。
理由はどうであれ、お弁当を忘れた人におかずをお裾分けしてるみたいだ。
「まあ、死なれたら元も子もねーからな」
阿伏兎がホイと割り箸を差し出してくる。Aは『どうも』と受け取りながら、二つに割る。
『昼食を抜いたぐらいで、人が死ぬなどと聞いた事がないが……』
「バカヤロー。拒食症になったら、どうすんだ。コンチキショーめ」
あの後、今後は昼食を持ってくるように、約束させられた。理由は[危険]だから。
Aの心境としては、正直。
意味が分からないと言った感じである。
「ねえ、A。
また午後から、喧嘩に付き合ってよ!」
『断る。喧嘩は二度もしない主義だと、
言っただろう』
「え〜」
Aは阿伏兎がくれたオニギリをかじりながら、軽く神威と言い合った。アホ毛の彼はムゥと頬を膨らましている。
とても、不良の頂点だとは思えない。
「そういや、お前さん達。教室で喧嘩してたんだったな。確か、番長が勝ったんだろ?」
阿伏兎が気だるそうに聞く。
『ああ、そうだ──』
「違うよ」
その時、神威がAの言葉を遮った。珍しく閉じた蒼い瞳を開けている。
「俺は勝ってない。だって、A。最後、
無防備にも戦闘態勢を解いたんだもん」
『!』
──気づかれていたのか?
「A。どうして、あんなに強かったのに
最後は、あんな穴だらけの隙を見せたのさ」
─[頬から流れる血。脳内に蘇る悪夢。神威に傷付けた場所が、あの風景と重なった]─
一瞬、防御が遅れたのは動揺。
神威を傷つけたのかもしれないと恐れ、
同時に近づいてはならないと、拒んだからだ。
護るためには、こちらから頑丈な檻を
張るしかないのだと。
「A?」
何処か、様子が可笑しい。
『ッ……』
「!」
そう思った瞬間、Aの顔色が真っ青になった。無表情が絶望の色に変わる。
此方側に来ては行けないと、
彼らを立ち入らせない気配を抱いて。
「!?、A。どうしたの? A──」
『すまない。今は……何も聞かないでくれ……ッ』
ギリギリと握られる拳。苦痛に歪む顔。闇色に満ちた悲哀な瞳。
それは、僅かに見せたAの素顔。
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綿貫(プロフ) - レンジさん» ありがとうございます!コレからも、起承転結をメリハリを付けていくのでヨロシクお願いします♪ (2014年10月14日 8時) (レス) id: 47b4b0da20 (このIDを非表示/違反報告)
レンジ(プロフ) - 面白いです!(*`∀´*)これからも頑張ってください!(^-^) (2014年10月13日 20時) (レス) id: f12d706a63 (このIDを非表示/違反報告)
綿貫(プロフ) - メーア=シュネー@独露典領《小型戦艦海雪》さん» ですよね←目が回りますよね (2014年10月13日 17時) (レス) id: 47b4b0da20 (このIDを非表示/違反報告)
メーア=シュネー@独露典領《小型戦艦海雪》(プロフ) - 確かに頭の中が数式だらけになりますよね← (2014年10月13日 9時) (レス) id: dcebb3bde5 (このIDを非表示/違反報告)
綿貫(プロフ) - 蟲師のギンコと申します。さん» ありがとうございます。この夢主くんは、俺の好きな性格を混ぜて作ったキャラなんです。後、イメージも。後々、色んな設定も出てくるのでご期待下さい! (2014年10月10日 8時) (レス) id: 47b4b0da20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綿貫 | 作成日時:2014年9月18日 9時