【銀魂】無表情な俺と正反対な周囲逹【男主】

第２３魂 ページ23

──数分後


いつにも増して笑顔が素敵な神威と真っ青な顔をして廊下に倒れている阿伏兎が存在した。


『大丈夫か？ 阿伏兎さん……』


背中を少し丸めながら、両膝に手をおいて阿伏兎の様子を伺うA。

声には少し心配そうな抑揚が混ざっていた。

結局、阿伏兎はギリギリの所まで神威に
首を締め上げられたのである。


「阿伏兎。Aがいて良かったネ。じゃなきゃ、即病院送りになってたよ？」


恐ろしげな事を言いながら、クスクスと笑みをこぼす神威。この人に冗談を言ったら、命がいくつ合っても足りない。


「ゲホゲホッ！ 番長の場合は明らかにやりすぎだってーの。コンチクショー……」


咳き込みながらも、普通に「よっこいせ」と立ち上がった阿伏兎。


『……随分。丈夫だな』


──普通、首を絞められたら
立ち上がれなかったり、フラついたりするはずだが……


「伊達に、番長の相手をしてねーからな。いつの間にか体が慣れたんだよ」


『なるほど』


分かる気がしなくもないと、Aが神威の顔をしげしげと眺めた。


──その時


「ねえ、さっきから何かが物足りないなと思ったら、云業がいないんだけど……」


と神威が言った。


『云業？』


「あ、Aは知らないか。[云業]って言うのは俺ら夜兎工三羽烏の一人で、髭面の中国人みたいなオッサンの事だよ！」


『…………』


──ココは、本当に高校か……？

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