【銀魂】無表情な俺と正反対な周囲逹【男主】

第１９魂 ページ19

同時に、後ろから彼に質問を問い掛けられる。


「そういえば、聞いてなかったんだけど
君、名前は？」


いきなりの質問にAの歩いた足が
一時、その場で静止した。


『……一ノ瀬A。３-Ωの転校生』


「転校生ーッ！？」


何故か彼じゃなく、オジサンが反応。


「ふうん、そうなんだ。どうりで知らない顔だと思ったよ。俺は神威。で、こっちの金髪のオッサンが、阿伏兎ネ」


「オッサンって何だ！？ まだ、そんな年じゃねえっつーの！ ……まあ、よろしく頼むわ」


彼こと、神威。オジサンこと、阿伏兎。


──知らない顔なのに
喧嘩を仕掛けたのか、神威さんは……


自己紹介されたら、振り向かなければならないと思うのが、Aの真面目な所である。

振り向いたら、こちらこそと軽く頭を下げた。


『……それで、神威さん。アンタ、
さっき俺が言った言葉。覚えているか？』


「神威でいいよ。喧嘩したかったら、他を当たれ。気に入らないなら、近づくなでしょ？」


辛らつな言葉を、淡々と答える神威。


『それを、分かっているなら──』


「だって気に入ったんだもん。Aの事♪」


神威の台詞が異様なほど、スローモーションに聞こえた。


──キニイッタンダモン……きにいったんだもん……気に入ったんだもん。Aの事が♪


『は？』


先ほどまで、喧嘩して冷たい言葉で突き放した奴に満面の笑みで気に入ったと。


──な……ッ！？


「Aと居ると、毎日。退屈しなさそうだからネ！ もしかしたら、暇つぶしに付き合ってくれるかもしれないし！」


と拳を向けてくる。


『先ほどから言っているが、俺は喧嘩を二度も受け付けないと……』


そして、Aは色々と諦めたように四度目の溜め息を付いたのだった。


──……晋助。初日から、
変わった奴に気に入られたみたいだ。

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