【銀魂】無表情な俺と正反対な周囲逹【男主】

第１８魂 ページ18

「イテテテ、何だいこりゃあ……」


ぶつかったのは学ランを着た
金髪のオジサンだった。

持ち前の反射神経で飛んできた
Aを受け止めたのは良いものの、支えきれなくて、そのまま床に尻餅を付いたらしい。

Aは今。丁度、男の胸の上にいる。


「ちょっと、阿伏兎。楽しいところだったのに邪魔しないでよー」


可愛く頬を膨らませながら、三つ編みの彼は両手を自らの腰に当てる。


「邪魔をするも何も、俺はいきなり。飛んできた、この坊ちゃんを受け止めただけだぞ、すっとこどっこい！」


そう言いながらAの顔を恨めしく睨みつける。

Aは、すぐさま男の胸から降りて、正面に手を差し出した。


『悪い。怪我はなかったか？』


変わらない無表情だが、
声からして心配しているようだ。


「……ああ、俺は平気だ。お前さんは？」


重ねられた手を引き上げ、男を軽く立たせる。


『俺はアンタのおかげで
この通り、無傷だ。……感謝する』


「そうかい、そりゃ良かった」


何となく、場が和やかな雰囲気になって──


「ねえ、俺を放置しないでくれる？」


いなかった。Aはズボンに付いた埃を払らいながら、彼と向き合う。


『最後はどうであれ、喧嘩はアンタの勝ちだ。少なくとも、この人が居なければ、俺は壁にぶつかって、まともに動けなかった……』


「それはどうかな？ 君なら
壁なんて回避出来たんじゃない？」


『言っただろう。俺は喧嘩屋じゃない。
先ほどは仕方なく、喧嘩をしたが本来は受けつけていない立場に当たる』


ポケットから絆創膏を取り出し、怪我を負わせてしまった彼の頬に優しく張った。
　
いきなりの事に彼は蒼い目をキョトンとさせる。


『もしも、それが気に入らないのなら。二度と俺に近づくな。喧嘩をしたいなら、他を当たれ』


そうして、Aは彼の横をすれ違った。

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