【銀魂】無表情な俺と正反対な周囲逹【男主】

第１７魂 ページ17

「フッ！」


今度は、彼からの回し蹴りが繰り出された。


『ッ……！』


Aは息を呑みながらも屈んで避け、彼の足に軽やかな足払いを決める。

だが、相手も負けてない。

空中で崩れた姿勢を直し、
Aの顔に向けて拳を打ち放った。

Aも負けじと、片手でその拳を受け止める。


「止めろォォ！ 神威、一ノ瀬ェェ！」


星海坊主がそう叫ぶが、二人の耳には入ってない。周りに、またもや砂埃が起きる。

そんな中、三つ編みの彼だけは
嬉しそうに笑った。


「俺、君の事。好きになれそうだヨ」


女なら、即倒するような一言だが
状況が状況のため、イマイチ。ピンと来ない。


『そうか。俺はアンタの事、
イケメンで、かなり勝手な奴だと思う』


「！、フフッ。ありがとネ」


『褒めてない』


Aの反応に彼はまた、ははっと笑うが
すぐに冷徹な獣の瞳へと変えた。
　

「じゃあ、雑談はここまでにして。
決着つけようか……」


瞬間移動したかのように、グンッと間合いを積められた。放たれた拳も先ほどより、威力が上がる。


──ココは、一発で決めるしかないか。


Aは拳を固め、彼の前にグンッと突き出した。その時、避けた彼の左頬に爪が掠って、傷を付けてしまった。


『──ッ！？』


突如、電気が走ったかのようにAの動きが止まる。目には、彼の頬から流れる鮮血が
移っていた。


「隙あり！」


目を奪われている最中に、彼の拳が腕に直撃した。咄嗟に防御したが、衝撃で後ろに吹き飛ばされる。

飛ばされた先は、壁。
痛みが背後に襲うと思われた、その瞬間


──ガラララ


「番長ー！ パン買ってきたぐわァア！？」


誰かにクリティカルヒットし
受け止められたまま、床に倒れた。

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