【銀魂】無表情な俺と正反対な周囲逹【男主】

第１６魂 ページ16

『勝手に怪我人扱いしないでくれるか」


Aは後頭部に置いた指を降ろして、冷静に言った。

三つ編みの彼に対する挑発的な態度。

攻撃されても尚、崩れない無表情が彼に火を付けたのかもしれない。


「フフッ、面白いね。君」


『…………』


蒼く光る獣の瞳。


「さっきの言葉、訂正するヨ。君なら、俺とやり合える器かもしれない」


腰を低くし、彼は右手で拳を作った。


『！』


そして、次の瞬間。弾丸のように、はじき出されたスピードで攻撃を仕掛けてきた。

繰り出された重い拳。

Aは右腕で衝撃を受けながら、
体を捻って負担を減らす。


「なるほど。さっきもこうして
防いだんだネ」


『ただ、威力を二分の一にしただけだ。
痛みは感じている』


ギリギリと音を立てる腕。
コレ以上、防ぐのは骨が折れる。


──少し体力を使うが……


グイッと拳を押し返し、相手の攻撃を緩ませた。


「！」


そして。その一瞬を狙い、左足を軸にして
回し蹴りをお見舞いする。


『くっ……』


が、腕をクロスして防がれた。
彼の体が防御のまま、勢いで後退する。


「君、本当に一般人？
今の回し蹴り、結構効いたよ」


『それは、笑顔のまま言う台詞じゃないだろう」


周りは二人の気配に完全に呑まれていた。

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