【銀魂】女隊士と愉快な仲間達８１

３８３４話 ページ41

.



ホワイトボードに書かれている、攘夷志士一派のプロフィール。そう、今回の捜査は既に桃太郎が殆ど終えている。リーダーの個人情報などの数日から数週間は掛かりそうな情報は公開しているが、実際に足と頭と緊張感を使って欲しいので、活動拠点のみ伏せさせてもらった。

作戦も自分達で立てて、最終的には粛清を行ってもらおうとしているけれど、若干賭け的要素が強い。

結局彼らを育てようとしてしまっている自分に疑問を抱きつつも、やるからにはきちんとやってやろうとも思っていたりする。



「･･････あ！」



部屋に班員を残して、厠に立つ。
すると偶然、女隊士ちゃん二人と遭遇した。



「奇遇だね！元気してる？」



随分と久しぶりに出会ったみたいな会話を始めてしまいそうになった事を勝手に反省していると、二人はその空回りテンションに引いたように静かに微笑む。「そういえばまだ名前を･･･」と何度目かのチャレンジをすれば「資料か何かで見てるんじゃないですか？」とあしらわれ、頑なにその小さな口からは教えてくれなかった。

現実に存在するツンデレキャラクターをこの目に焼き付けて、久しぶりに神楽ちゃんに手土産を持って行こうかと考える。



「そうだね！後でもう一度資料を読み直してみる！」

「･･････はあ」

「そういえば君達、」

「あの。貴方はどうして敬語を使わないんですか？」

「えっ？」



この場を立ち去ろうとしている彼女らを見て、慌てて引き留めようと画策。すると、眉間に皺を寄せて振り返った。



「名前も覚えない、敬語も使わない、か弱いとかツンデレとか訳の分からない事ばかり口に出す。失礼極まりないと思うんですが」
「あたしもそう思います。ハラスメントの連続ですよ」

「確かに･･･！！」

「確かに、じゃなくて。普通こういう時は先に謝るんですよ。元お嬢様って、礼儀がなってるものだと思ってました」
「完全にあたし達をナメてますよね」



女子便所でのこの会話は、マンガで見る所謂アレである。そう、誰もが想像したであろう、仲良くなる為の大イベントだ。この後、ヤンキーなら殴り合いの喧嘩をして倒れて笑い合うというお決まりの名シーンがあるけれど、女子ならどうだ。

女ならきっと、口喧嘩だ。徐々にヒートアップして、やがてどちらかがツンデレを発揮して「さ、さっきはごめん」と謝る。

──近藤さん、土方さん。遂にやりましたよ。
私にもこのような日が、訪れました。



.

３８３５話→←３８３３話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す