3544話 ページ33
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「失礼します。Aさん宛にお届けものだそうです」
「お、遂に来たかな。どうぞ入ってー」
漸く六月へと到達したという喜びと、未だに六月という悲しさと、もう六月かよという絶望が、丁度同じくらいの重さと大きさで押し寄せてきた感覚である。
だがしかし、それら全てを吹き飛ばすような、待望のとあるモノがやっとの思いで手元へとやってきた。
「わざわざ届けに来てくれてありがとね」
「あ、はい」
「もし良かったらそこら辺にあるお菓子持ってって良いよ。ファンレターと共に贈られてきたんだけど、食べ切れなくて」
「マジすか、いただきます」
最近、ひたすら「髪の毛を金色に染めたい」と嘆いている赤髪の彼は、扇風機が頑張って暑さを緩和させてくれている私の部屋から、溶けかけのチョコレートを一箱取って、去ってゆく。
「黒髪に戻せ」と叱られまくっている彼だが、私は似合っているので全然良いと思う。まあ、全く興味が無いというのが本音だ。
そんなことよりも、ようやく目の前に届いたコレこそが今回の話題。早速、開封をすることに。
「キッタァァア・・・!!」
ベリベリと雑に剥がしたガムテープ。
端をちょこんとカッターナイフで切れば、ゴミすら出ないという知識など記憶の片隅にも居らず、更に部屋を汚しながら私は包装された緑の衣装を目を輝かせて見つめた。
そう、これは坂乃下47の伝説のデビューシングル『サイコロの魔女リッピー』、略してサイマジョのコスプレ衣装である。
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堕天使(プロフ) - ミズキさん» ありがとうございます!!私なんて全然まだまだですけれど、女隊士序盤と比べると少し進化できてるのかも知れません、変化を見届けてくれる人がいるのは本当に幸せです。これからも応援、よろしくお願い致します…!! (2018年7月25日 19時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - 青柳さん» こちらこそリクエストありがとう!!!またして!!!ね!!!がんばる!!!!! (2018年7月25日 19時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - 柚木さん» ありがとうございます!!嬉しい限りです!とても!!頑張ります!! (2018年7月25日 19時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - りおねるさん» ありがとうございます!楽しんでいただけたでしょうか。これからも応援よろしくおねがいします! (2018年7月25日 19時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - おとさん» だいすき (2018年7月25日 19時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:堕天使 | 作成日時:2018年7月7日 5時