【銀魂】女隊士と愉快な仲間達７２

３４１４話 ページ47

.



抱き締めてあげたくても、手は届かない。
不気味な夜の縁側に、光が刺し続けている。



「･･･タコ男」

"「な、なんでずか」"

「アンタは、生きちゃいけない人間なんかじゃなかったよ」

"「･･････っ」"



そもそも、生きてはいけない人間なんてこの世に存在するのだろうか。意図せずに偶然産み落とされた私達。生きるも死ぬもご自由に、どうぞご勝手に･･･なんて確かに無責任だとは思う。

でも、死ななければいけない人間なんていないのだから、必然的にきっと誰かには必要とされている筈なのだ。



「実際、アンタが居なかったら、私は死んでたんだよ」

"「･･････」"

「アンタがどういう理由で真選組に訪れたかはもう、どうでもいいんだ」



「勿論高崎は許せない、でも、やっぱり会えた事実に変わりはないもん」そう言って、拳を強く固く力を込める。言いたいことをきちんと言葉に出来ているかさえ分からない。これが本当にタコ男で、タコ男に届いているのかだって分からない。

私が今、生きているのかも分からない。
でも、嘘は言っていない。



「だから、ね･･･だから、言えてなかったこと、今･･･言うね･･･」



一つだけハッキリしているのは、これを言ってしまったらもう全てが変わってしまうということ。
何らかの理由で成仏出来ていないと仮定したとしても、これを言ってしまえばそこで。

でも言わないままでは歯痒かった。
これからも、これから生きていけるのなら、後悔が募ってしまった筈だから。



「ありがとう･･･っ！！」



.

３４１５話→←３４１３話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す