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3411話 ページ44

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☆ ?side ☆



その日から、俺には味方が存在しなくなった。
父の行方を聞いても、施設見学すら出来ずに会うのも許されない。痣もすっかり消えゆき、俺は孤独そのものだと分かる。

姐さんに助けを求めようとは、何度も考えた。
彼女ならこんな俺ですら救ってくれる、受け入れてくれる。どこからそんな馬鹿みたいに都合の良い考えが生まれたかは知らないが、そんな気はした。



「いっやあ、毎日毎日暑いし眠いし怠いし、土方さんはうっさいし!どうするよ桃太郎、タコ男」



でも何故だか、そもそもこんな俺に声を掛けてくれた恩師とも言える仲山に、人生を売ろうという気は起きなかった。彼が悪だからとか、真選組が正義だからとか、最早そこまで大きく広くは考えていない。
ただ、誰を信頼していたか。
生きてきて初めて覚えた信頼は、仲山ではなく姐さんにだった。それだけだったように思える。



「んー、まあ姉貴の態度次第で副長がうるさいのはどうにかなると思うんスけど・・・」

「はい喧嘩売ったぁ。マジ喧嘩売ったぁ」

「そんなつもりじゃ!」

「タコ男、聞いた?コイツそもそも私がうっせェって主張して来やがった。マジ舐めてね?」

「ごめんなさい許して姉貴ィ!!」



この何にも変え難いくだらない日常に、いつからか誇りを抱いていたのかも知れない。 悪だった俺が、正義になれたと過信して、後先考えずに忠誠を誓いたい。ただ、ただそれだけ。

やはり俺は、どうしようもない馬鹿野郎だけど。
馬鹿野郎は馬鹿野郎なりに、大好きな仲間と、大好きな人を護りたい。



「馬鹿になれば、暑さも吹っ飛ぶんやないですかね!」

「やっば、もう吹っ飛んでるヤツいる」

「誰が吹っ飛んでるヤツっスか!?」



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設定タグ:銀魂 , 女隊士   
作品ジャンル:ギャグ
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堕天使(プロフ) - limeさん» 了解致しました!必ず神威、出します!楽しみに待っていてください(^^) (2018年6月9日 18時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - ご心配と温かいコメント、本当にありがとうございます!この通り、元気に生きてます。無理をしない程度にこれからもちんたら更新致します。でろんでろんのシリアスソースを綺麗に舌で拭い取り、余すことなく胃に入れて、胃が痛くならないよう祈ってます。 (2018年6月9日 18時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
青柳(プロフ) - シリアスソースでろでろで、なんかもう、お疲れ様です。神谷ちゃん、、、。更新頑張ってね!!! (2018年5月28日 23時) (レス) id: e6bd26296f (このIDを非表示/違反報告)
神薙(プロフ) - あんな時間にお疲れ様です。タコに感情移入しまくってます。シリアスソースかけすぎて胃もたれが.....っ!タコと桃太郎の会話が見られないと思うと辛いですけど、これからも読み続けます!お体に気をつけながら頑張ってください! (2018年5月28日 3時) (レス) id: 6a534b2023 (このIDを非表示/違反報告)
しらす。(プロフ) - お体大丈夫ですか?無理しないでくださいね。更新、本当にありがとうございます。更新通知がきた瞬間、目がギョッ!と開きました笑 (2018年5月26日 7時) (レス) id: cedf881a2e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:堕天使 | 作成日時:2018年4月12日 18時

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