【銀魂】女隊士と愉快な仲間達７２

３４０８話 ページ41

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☆ ？side ☆



親元を離れて暮らす怖さは、数年顔を合わせずに一人で生きていたからこそより深く知れていたので、またそれが見た事も触れた事も無い地でとなると、更に倍増したような気にもなる。

少なくとも、俺は今までの俺を否定したくはなかったのだと思う。
親からの愛情を真摯に受け止めるしかなかった自分が、それは辛いことだったのだと認識してしまえば、もう誰も居ない。

言葉によっては、恩返しとなる。
けれど、そんなもので片付けは出来なくて。



「やらしてください」



このイントネーションが、何れボロボロと剥がれ落ちるのだとしても、父に胸を張れる何かを欲していた。また、一緒におでんを食べたかった。

書けはしないが、大体の文字をすっかり読み取ることが可能になっていた俺は、計画書を頭に叩き込んだ。真選組という組織の中に唯一存在する女隊士と、故意的に肩をぶつけてイチャモンを付ける。

偶然を装って、きっかけを作って。
計画は、数年に渡るものだった。



「君は、やれば出来る。ただやらないだけなんだ。今までそれを阻まれてただけなんだ。本当は多大な可能性を秘めているんだ」



繰り返し、繰り返し同じ話をされて、自分を過信した。
流れに見を任せれば良い。大前提はそれだったので気楽に行こう、と。そうだ、思い詰めるな。俺は、出来る。

思えば全ては、そこから始まった。



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