【銀魂】女隊士と愉快な仲間達７２

３３９９話 ページ32

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土方「一番隊と五番隊は正面から突入、四番隊は後方待機。俺と近藤さんは一番隊の横に付くから、Aは四番隊の指揮を取れ」



バスジャックを繰り返し、罪の無い人間を死に陥れるという非行を繰り返すテロ集団を一掃する割と大きめな作戦が、今夜決行されるという。携帯電話を開いて時刻を見ると夕方であり、私は朝昼関係無しに眠っていたらしかった。

とある小さな宿に潜伏している奴らを、数時間後の二十時にぶっ倒す。そんな大事な予定が決まった瞬間、何故か全身の震えが止まらない。
刀を磨く手も、誤って刃に触れそうなのである。



"「･･････お、おれ」"



鮮明に蘇りる記憶は、作り物みたいだった。
赤くてドロドロとした血液が、生々しい気配を帯びた臓物が今にも一緒に零れ落ちそうなくらいの勢いで流れ出し、傷を押さえても止まらず。
雪はそれの生暖かさによって溶かされ、泳げそうな水たまりになって。錆びた鉄のような匂いが鼻をズンと突き刺し、刀の輝きは消えゆく。

どんどん顔が青白く染まり、体温はひたすら下降。
ガキンガキンと激しくぶつかり合う鉛の音と、身体に何かしらの穴が出来た為の痛々しい叫びが重なる。
耳に届きまくる音は、とても平和とは言いがたかった。騒々しくて、思わず手で覆いたくなるようだった。



「や、やめて」



でも一方で、そんなのはどうでも良かった。
目の前で散りゆく仲間が、地面に落ちないように目を凝らすけれど。

心臓が爆発しそうな勢いでうるさくしていて、当事者ではないのに今までの記憶がフラッシュバックした。



「やめ･･････て！！」



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