【銀魂】女隊士と愉快な仲間達６９

３２６２話 ページ29

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"「知ってますか？姐さん」"

"「何を」"

"「姉さんの好きなゲーム、新作出るらしいです」"

"「まじで？どこ情報なのそれ」"

"「タコ調べ」"

"「どうしよう信憑性に欠ける」"



あっという間に雪が溶けて、その存在を確かなものにしていった春。その証拠に、鬱陶しい程に満開な桜の花びらが、少しずつ風に揺れてヒラヒラと散っていた。

幻想的で青々とした晴れやかな空には、雲一つ見当たらない。寒さに勝利しようと、これでもかと着込んでいた人々も、紫外線で焼けるのを気にせず露出し始めている。

平和の象徴のような鳥のさえずりが、耳に届いた。
肌を撫でる風は、大量にある始末書を吹き飛ばしてはくれないけれど、時々分厚い攻略本がペラペラとめくれてしまう。



"「つか、アンタのその丸っこい頭を見てるとたこ焼き食べたくなるな」"

"「それは姐さんの想像力が豊かなだけでは」"

"「金だこ、紅しょうが多めで」"

"「しゃあないなぁ」"

"「関西生まれの宿命だから」"

"「へーへー」"

"「紅しょうが多めだぞー、マヨネーズも忘れんなよー」"



この心地良さが永遠に続く事など無いと気付いた頃には、きっと冬に戻っている。年老いた自分のしわしわな手が、筆を持つのすら拒んでいるだろう。

･･････どうか、醒めないで。



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