【銀魂】女隊士と愉快な仲間達６９

３２６１話 ページ28

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真っ暗な廊下を突き進む。灯りなど無い。
ずっとずっと、暗いまま。いずれ明るくなる筈なのに、その時の事を一切考えられない。そもそも、気分が暗いのだ。

食堂への道のりが、こんなにも長く感じたのは初めてに近い。音も無く、光も無く、歩いているうちに時空の狭間にでも来てしまったかと思うほど。



「･･････」



言葉にするなら、虚無感。
ただただ虚しいそれは、何とも言えない悲しさを放っている。
すっかりこの暗さに目が慣れたというのに、特に何も無い。想い返せば、水が溢れるだけだ。凍えてしまうような寒さに、襲われるだけだ。



「姐さん」
「Aさん」
「Aちゃん」



頭に過ぎった声に返事をしてしまえば、もうここには帰って来れないのかも知れない。そんな気さえした。けれども、振り払う勇気も見当たらなくて、息が苦しくなる。

これから先、この哀しさや虚しさを、何度経験したとしても順応する事は無いだろうと思う。やり切れなさを解消する術は、やはり知らない。



「アンタ達が、帰って来てくれれば、良いじゃんっ･･････」



白い息が空気に紛れて消えるのと同時に、我慢ならない悔しさに敗北した。



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