3232話 ページ46
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☆ タコ男side ☆
タコ男「俺ァ、お前らがめっさ嫌いや」
やっと、やっと言えた。
心のどこかで思っていた感情を吐き出せた時とは、これ程までに清々しいのかと感動すら覚えている。
味方が誰も居ない。この場に居る全員が敵。この先関わる事は無い。兎に角孤立しまくった状況で、心の底から喧嘩を売った。
血相を変えて刀を握り締める彼ら。
ああ、殺されるかも知れない。そう感じたけれど、そんなのはどうでも良かった。生き延びる事なんて考えていないのだ。俺の命は、俺のものなのだから、どう使おうと俺の勝手である。
目の前が段々と白くなってくる中、足に力を込めて、両足できちんと立てるという幸せを噛み締めた。
時が止まったようにも感じるのに、止まって欲しいとは思わない。何故なら、俺にはもう味方が居ないからだ。・・・・・・死んでしまえるのなら、本望だからだ。
タコ男「そして、もう一つ言える事がある」
仲山「テメェら、やっちまえ!!」
威勢の良い返事が重なり、夜空に響き渡る。
冬は空気が透き通っていて、星が良く見えるから好きだ。
タコ男「俺ァ、真選組がむっちゃ好きや」
目の色を変えたのは、彼らだけではない。
確かに死んでしまえるのなら本望だけれど、俺が死んだところでコイツらが姐さんや真選組を狙わないとは限らない。というより、必ず狙うと言っても過言では無いだろう。
そんなのは望んでいない。
身体に力を入れる度に、滲んでいく隊服。
爆発によってボロボロになっていた筈なのに、病院で目が覚めた時には綺麗になっていた。姐さんが、すぐに新調してくれたらしい。仕事やら何やらで病室にずっと居座るのは不可能な為に、それを謝る置き手紙があった。姐さんの字はいつも綺麗で、大好きである。
これを着る予定はこの先、無い。
でも、まだ脱ぎたくはない。
タコ男「ごめんなさいっ・・・!!」
裏切ったりなんかして、ごめんなさい。
最初からずっと嘘をついていて、ごめんなさい。
けれど、最後だけでも、真選組の助けになりたいです。
俺にこの服を着て一生を終える権利が無いのは重々承知しているが、最後の最後でわがままを言いたくなってしまった。
姐さんなら笑って許してくれるかなあ、なんて思いつつ、刀を振り続ける。真っ白で冷たい雪には、真っ赤で生暖かい血が飛び散っていた。
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堕天使(プロフ) - 今回のシリアスは、話が話なだけに皆様の反応が心配で心配で、コメントを見るたびに励まされて頑張ろうってなって、なのに更新しないでコメ返もしないで放置して…反省します。これからもハラハラドキドキさせられるように、頑張ります!!!!よろしくお願いします!! (2018年3月19日 14時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - 要約するとひたすらありがとうでいっぱいです。ありがとうございます。コメントが来る度にちらちら見てました(何故返さない)リクエスト、了解致しました、それこそ遅くなりそうですが気長にお待ちください…(頭抱え) (2018年3月19日 14時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - 皆様、たくさんのコメントありがとうございます!そして、返信するのが遅すぎて一括でやるはめになってしまって申し訳ございません。一人一人返したいのは山々なのですが、連続で操作すると占ツク自体が重くなりそうなので今回は気持ちだけお家に訪問してるつもりで… (2018年3月19日 14時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
千鳥(プロフ) - 文字数ギリギリの長文失礼しました。 (2018年3月6日 17時) (レス) id: 042eec4381 (このIDを非表示/違反報告)
千鳥(プロフ) - タコおおお!!!名前がない隊士が死ぬのとは訳が違う!死なないでえ!またタコ男も含めた真選組のギャグが見たかったァ!これだけ長い小説だからこそ読者である私達もオリキャラへの愛が生まれて、死んだ時の悲しさが増すんだろうなって思ったよ。続編楽しみにしてる! (2018年3月6日 17時) (レス) id: 042eec4381 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:堕天使 | 作成日時:2018年2月10日 17時