【銀魂】女隊士と愉快な仲間達６８

３２３１話 ページ45

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☆ タコ男side ☆



長過ぎる眠りから覚めると、明らかに屯所ではない天井がまず目に入った。記憶を辿れば、ひっきりなしに爆発が起きてその被害に遭った時の痛みを思い出す。そして、ものの数秒後。全てを察した。



タコ男「･･･ふざけんなよ」



その時の痛みよりを遥かに上回る脇腹を押さえつつ、俺は怒りを顕にした。ギリリと歯を食いしばり、逃げ腰の仲山に腰に差していた刀を先を向ける。

確かに俺は、内通者だった。
内通者として、真選組に入った。
姐さんとぶつかったのも、高崎の指示だ。
真選組に入ったのも、高崎の指示だ。

でも、決断したのは紛れもなくこの俺だ。責任を全て高崎にぶつけるような真似はしたくない。



「ふざけるな？それはこっちの台詞だ。作戦全て台無しにして、使い物になんねェ駒は捨てられるのがオチってのが分かんないのか」



常日頃から猫を被るのが大好きだった仲山とは、高崎を通して知り合った。けれど、コイツが俺を認めるような空気を出した事は一度も無い。仲間にして、ずっと敵対視されていた。

理由は簡単だった。高崎の狙いは、姐さん。姐さんが所属しているのは、真選組。真選組の内通者というのは、高崎に最も重要視される存在。だが仲山は、入隊するのを止められた。



「俺がお前の立場だったら、どれだけ･･･どれだけどれだけ活躍出来たか･･･」



コイツは高崎に酷く心酔している。
一方俺は、高崎にそこまで執着をしていない。
これが仲違いを生む最大の要因だろう。

周りでぶーぶー喋っていた天人達が、一斉に立ち上がる。視線の全部が俺に向けられている。こんなに面倒な出来事はこの先も無い。そもそも、生きてられるか分からないからだ。

俺の体力が人並み外れたものだから持ち堪えているけれど、刀は割と深くまで刺さっていた。気を抜くと今にも倒れそうなのである。



タコ男「確かに俺は、お前らを裏切った。姐さんさえもずっと裏切り続けてた」

「そうだよ。お前にはもう味方なんて存在しない。大好きだった姐さんとやらにも裏切られた。仮の上司を命懸けで守ったからって裏切った事実は変わらねェ」

タコ男「あァ。だからこそ言える」

「は？何をだよ」

タコ男「俺ァ、お前らがめっさ嫌いや」



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