【銀魂】女隊士と愉快な仲間達６７

３１６７話 ページ30

.
☆ 山崎side ☆



年末の奇襲を見越して準備をしていたのも、事実だった。というか、それくらい頭の片隅に置いておかないといけない職業なのだ、真選組というのは。常にそれを忘れずに行動はしていたけれど、内通者の数がここまで増えていて、更に威力抜群の爆発物をこれだけ仕掛けられているのは、想定外だったと言える。



山崎「･･････」



"「聞けザキ！俺は今日･･･Aさんをお出掛けに誘う事に成功した！！」"

仲の良かった立花が、先月のとある日に嬉しそうに報告してくれたのを思い出した。オンラインゲームでよく一緒に狩りに行っていて、新作発表会があるからお出掛けに誘ったとかで。実際、楽しそうに帰って来て、ゲームと全く関係の無いバームクーヘンを「オシャレな名前だったから買ってみた！」とお土産として渡された。

このタイミングで思い出したという時点で、推測する事は容易いだろう。そう、彼は死んだ。



山崎「立花･･･」



先日起きた殺人事件についての書きかけの調書に、少しずつ斑点模様が浮かび上がる。慌ててそれを阻止して、鼻水が身体の外へと出たがっているのも止めた。

"「聞いてくれよ山崎･･･副長が俺の大っ好きなテリヤキハンバーガーにマヨネーズを･･･」"

昼食をとるタイミングが一緒で、よく隣に並んで腹を満たしていた栗畑は、すぐに人をからかう癖があり、副長のマヨネーズも見かける度に難癖をつけるため、いつも自分が食べる物に仕返しをされていた。テリヤキハンバーガーにマヨネーズはそこまで悪くないだろ、なんて苦笑いしながら慰める一連の流れがあり、何度言ったか計り知れない。

彼も、死んだ。



山崎「く･･･り、畑」



柄にもなく心に降り注いだそれは、天候を人間が操れないのと同じでそう簡単には止められない。別に、これが初めて仲間を失った機会ではないのに。慣れていた筈なのに。･･････朝は共に大掃除をしていたから。

兎に角今の俺は、雨宿りが出来る場所を探すしか無かった。



.

３１６８話→←３１６６話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す