3094話 ページ5
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とある日の夕食。
夜が明ける度に気温が下がっていき、いつ雪が降っても可笑しくないかも知れない、なんて思い始める今日この頃。それでも温かいご飯が私を包み込んでくれて、一日の疲れも吹き飛ぶ。
「お前ら、魚派?肉派?」
「何だよいきなり」
「本当に突然だな」
「お前そういうのよくあるよな」
「いや、どっちかなって思って」
ワイワイと盛り上がる隊士を横目に、観たいバラエティ番組に間に合うようどんどん米を口に入れる私。本当は会話に割り込んで、自分がどちら派かを語り明かしたいところである。
ただそんな事をしている時間は残されておらず、言葉を米と一緒に胃の奥へ。
「俺は断然肉なんだよ。肉か魚かどっちかしか食えねえってなったら、絶対肉を選ぶんだよ」
「知らねえわ」
「俺も肉だな」
「そもそも肉か魚かどっちかしか食えねえなんて世界、このご時世有り得ない」
「断言は出来ねえだろ」
私は肉派だ。魚も好きだけれど、肉の方が何か元気になれる気がする。
心の中で答えていると隊士達に質問を投げかけた張本人は「だって魚って焼いた場合、骨とか取らなきゃなんねえだろ」と魚が嫌な理由を言った。
「確かに、秋刀魚の小骨ほど面倒なものはないな」
「だろ?」
「でもお前、肉か魚かどっちかしか食えねえ世界になったとして、牛一頭をバラバラに出来るか?魚の方が捌きやすいだろーよ」
「いやそこまでデケエ話はしてねえよ?」
確かに彼の言う通り、牛一頭をバラバラにするのはかなりの労力と集中力が必要とされる。そもそもやった事が無いからどうやるのかも分からない。
そうやって真面目に考えていると「だとしても俺は完璧に肉!」意思を曲げようとしない隊士は再び理由を述べる。
「背骨をこう・・・外すだろ?でもよ、小骨がよ、口の中に入ったりすんじゃん。あんな面倒な食事は求めてないね、マナーも厳しいし」
「俺も同意見。育ちが良い奴らはガキの頃からそういうのを叩き込まれてんだろーな」
「いやいや、育ちが良い奴らは全部やってもらってんだって。多分、Aさんも・・・」
「心外だな、自分でやってます」
それから私は、叩き込まれてる派リーダーと影で呼ばれるようになった。
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堕天使(プロフ) - あむねしあさん» マジですか、急な設定追加に物凄く不安でした笑 ガンガンやります。笑 (2018年1月7日 15時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - 千鳥さん» いえいえ!私なんかのコメントで良ければなんぼでもしますよ!!小説、覗かせて頂きました!まだじっくり読めてないので読んだ時はコメントしますね!笑 なんのお手本にもなりませんが、更新、お互いがんばりましょう!! (2018年1月7日 15時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - monicaさん» あけましておめでとうございます!そう言っていただけるとタコ男も喜んでいると思います…!何より私が嬉しすぎました。笑 沢山のコメント待ってます!甘い沖田、了解ですd('∀'*) (2018年1月7日 15時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - ゆうさん» わーあけおめです!!笑 そしてお久しぶりですー!こちらこそよろしくお願い致します! (2018年1月7日 15時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
あむねしあ(プロフ) - 男ミンミンがドツボで困ります。良いぞもっとやれ。 (2018年1月7日 12時) (レス) id: 18592075da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:堕天使 | 作成日時:2017年12月26日 23時