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(セレナside)
「ちょっと」
何? と言って振り向く男。コイツの顔面ほど見ていてイライラするものはない。
「総悟くんに何したの? 答えて」
「……何のこと?」
「とぼけないで。あんたがAちゃん落とすために高杉に協力要請したのは分かってるのよ」
「どうしてシンスケの名前がここで出てくるのさ」
「とぼけないでって言ってるでしょ。今、ここには高杉一派は誰一人としていない。総悟くんもいない。高杉一派はあんたと手を組んでる。__あんたが総悟くんの代わりに王子役をやるために、総悟くんが学校に来れないよう仕向けたんじゃないの?」
暫くの間、沈黙が流れる。それを破ったのは、あの忌々しい男の笑い声だった。
「なーんだ、全部お見通しだったってワケか」
これじゃつまんないや、と男は笑いながら言う。
「__ふざけるのも大概にして!!」
ほとんど反射で飛び出たその言葉は、自分で自分の堰を切った。
「Aちゃんのことが好きなら、一番にあかりちゃんの幸せを願うはずでしょ!? なんで好きな人の想いまで踏みにじってまで欲しいと思うのよ!!」
少なくとも、あたしはそうだ。
どうしようもなく総悟くんが好きだから。だから、総悟くんの幸せを一番に願ってAちゃんを応援することにしたのだ。
「好きな子の気持ちすら考えられない奴が『どんな手を使っても欲しい』だって!? 笑わせんな!!」
「うるさいよ、お前」
そう言われると同時に左頬に痛みが走る。叩かれた、と認識するまでに時間はかからなかった。
冷え切った視線があたしを刺す。
「お前に協力持ちかけたのが失敗だったね。……ソウゴならシンスケたちがいつも使ってるプレハブ小屋の中にいる。連れてくるなら連れてくれば?」
「……っ、」
そう言って踵を返す男。
あ、と途中で振り向いてこう告げた。
「今回は一旦手を引くけど、諦めたワケじゃないから。俺は本人から答えを聞くまで絶対に諦めないよ」
今度こそじゃあね、と歩き去っていく。
「……絶対に邪魔させない」
Aちゃんのために__総悟くんのために。
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みーなな(プロフ) - 魁 奏さん» コメントありがとうございます! リメイク前から見ていてくださっていたとは感激です……! これからもこの作品をよろしくお願いします! (2019年1月29日 19時) (レス) id: 5e50030e02 (このIDを非表示/違反報告)
魁 奏 - 初コメです!リメイクお疲れ様です。リメイク前から見ていましたが更におもしろくなっていますね。更新頑張ってください。応援してます。 (2019年1月29日 15時) (レス) id: dcbda7607c (このIDを非表示/違反報告)
みーなな(プロフ) - ペロペロキャンディさん» ありがとうございます!現在作品のリメイク中ですので暫く更新はお休みなのですが、これからも精進してまいりますのでよろしくお願いします! (2019年1月9日 6時) (レス) id: 5e50030e02 (このIDを非表示/違反報告)
ペロペロキャンディ - 最近見たので一番面白いです!更新がんばってください♪ (2019年1月9日 0時) (レス) id: d47604c399 (このIDを非表示/違反報告)
みーなな(プロフ) - ayanekoさん» いつも読んで下さっているとは……!ありがとうございます!班のメンバー、了解しました! (2018年11月29日 16時) (レス) id: 5e50030e02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みーなな | 作成日時:2018年10月28日 18時