【銀魂】転校生は幼馴染でした。【沖田総悟】

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(セレナside)



「ねぇ」

「……なぁに？」

まさかトイレの前で待ち伏せされているとは思わなかった。

一瞬生じた動揺をねじ伏せ、努めて冷静に返答する。

「お前さ……ソウゴのこと好きでしょ？」

「……もちろん」

「なら諦めなよ。ソウゴはAと両片想いだよ。他人が入る隙はない」

ピクリ、と眉が動く。

「……それを言ってどうするの？ そんな簡単に諦められないよ。だって……あたしはAちゃんに言ったもん、ライバルだって」

「知ってるさ、それくらい」

じゃあ何でわざわざそんなことを？ 自分にしては珍しく頭が回って＿＿最悪の結論に行き着いた。

「ま、さか……」

「あれ？ 偏差値低いって聞いてたけど……情報戦にかけてはそうでもないみたいだね」

じゃあ教えてあげよっか、といつもの笑顔を絶やさずに言う。

「俺はAが欲しい。＿＿どんな手を使っても。だからお前には、そのままソウゴのことを好きでいてもらわないと困る」

「……総悟くんの相手を、あたしに変えるってこと？」

「簡単に言っちゃえばそういうことだね。今回は下準備のため話しに来たんだ」

「あたしに協力してほしい、ってことね」

「ご名答。で、どう？ 協力してくれる？」

「残念だけど、お断りします」

相手の顔から笑顔が消える。

「……なんで？ お前にとっても悪くないと思うんだけど」

「幸せは自分でつかまなきゃ、ずっとイヤな気持ち引きずるだけだよ。あたしは自分のために友達を売りたくないから」

平等であること。それがあたしのポリシーだ。

「悪いけど、諦めて。協力のことも、Aちゃんも」

ふぅん、と相手は退屈そうに相槌を打つ。

「まぁ、今回は引いてあげるよ。でも俺は諦めないから。言っただろ？ ＿＿どんな手を使ってもAが欲しいって」

じゃあね、とひらひら手を振って立ち去っていく。

朱色のアホ毛が、ピョコピョコと跳ねていた。

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