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女子モドキ。言われ慣れた言葉だけど、今日くらいは女らしさを認めて欲しかったな、と思う。
……さっき一瞬開き直ったことは無視の方向でお願いします!!
チラ、と時刻を確認する。総悟が飲み物を買いに行って五分ほど経ったが、まだ帰ってくる気配がない。
「どこまで買いに行ってんのアイツ……」
そろそろ本当に花火が始まってしまう。探しに行こう、と一歩踏み出したときに腕をつかまれた。
「沖田! 遅かったね……って、」
笑顔で振り向くと、そこにはいたのは知らない男。
スッと表情が消え、真顔になる。
「……どちら様で?」
「いや? 君かわいいな〜って」
「日本語分かりますか?」
なに? 最近のナンパ野郎は揃って日本語分かんないの?
__小学校からやり直してこいや!!!
精一杯の殺意を乗せて睨むも、男は薄笑いを浮かべて何も言わない。
しばらくの間視線がぶつかり合い、先に口を開いたのは男の方だった。
「ねぇねぇ、さっきまで一緒にいた子は?」
「……飲み物買いに行きました」
睨みつけながらも答える。
「というか、あなた誰ですか。少なくとも私の知り合いじゃないですよね」
私の知り合いに名乗らずにレディの腕を掴むような無礼者はいませんよ、と言う。
少しだけ男の顔が歪んだが、すぐに元の気味悪い薄笑いに戻った。
「まぁ、一目惚れ、的な? かわいい子だな〜って思ったんだよね。今から一緒に回らない?」
「お断りします。ほいほいと一目惚れするような男にマトモなやつはいないと思ってるので」
「君さぁ……」
少しずつ男の笑顔が引きつってくる。
「私はアンタに興味ない。分かったなら早くどっか行ってください」
「__口答えなんて生意気なんだよ!!」
やば、言い過ぎたか。しかしながら__後悔はしていない。
「残念、仕掛ける相手が間違てたねッ!」
護身用、と称して銀ちゃんから教わっていたものが役に立つときが来た。
殴りかかってきた男の腕を取って大外刈りをしようと思い__しまった私浴衣だ!
これは喧嘩両成敗の理論だな、と来るであろう衝撃に目を瞑っていると。
すとん、と誰かの腕の中に収まった。
「……誰に許可取ってコイツに触ってんでィ」
「ひっ……」
「目障りなんだよ。消えろ」
吐き捨てるように言った総悟に恐れをなし逃げていった男。
大したことないな、と内心嘲笑ってみるも、そんなのはただの強がりで。
私の顔を覗き込む総悟の表情が分からないくらいに、視界は滲んでいた。
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みーなな(プロフ) - 魁 奏さん» コメントありがとうございます! リメイク前から見ていてくださっていたとは感激です……! これからもこの作品をよろしくお願いします! (2019年1月29日 19時) (レス) id: 5e50030e02 (このIDを非表示/違反報告)
魁 奏 - 初コメです!リメイクお疲れ様です。リメイク前から見ていましたが更におもしろくなっていますね。更新頑張ってください。応援してます。 (2019年1月29日 15時) (レス) id: dcbda7607c (このIDを非表示/違反報告)
みーなな(プロフ) - ペロペロキャンディさん» ありがとうございます!現在作品のリメイク中ですので暫く更新はお休みなのですが、これからも精進してまいりますのでよろしくお願いします! (2019年1月9日 6時) (レス) id: 5e50030e02 (このIDを非表示/違反報告)
ペロペロキャンディ - 最近見たので一番面白いです!更新がんばってください♪ (2019年1月9日 0時) (レス) id: d47604c399 (このIDを非表示/違反報告)
みーなな(プロフ) - ayanekoさん» いつも読んで下さっているとは……!ありがとうございます!班のメンバー、了解しました! (2018年11月29日 16時) (レス) id: 5e50030e02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みーなな | 作成日時:2018年10月28日 18時