【銀魂】転校生は幼馴染でした。【沖田総悟】

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学校が終わり、夏休み。

普通の高校生なら、受験に向けて勉強したり、部活に打ち込んだり、友達と出掛けたり、色々青春を謳歌しているのであろう。

＿＿私の場合、そのどれにも当てはまらないが。

「銀ちゃん、次はス〇ブラね」

「選ぶゲームに女子らしさを感じねーんだけど。やっぱ女子モドキだな」

「れっきとした女子ですぅ〜」

父親(？)とゲーム三昧の日々。ちなみに今やっているのはスプ〇である。

「そーいや明日夏祭りだな。A、一緒に行く奴いねーの？」

「うーん……誘われたら行くけど」

「てことは誘われてねーんだな」

「黙れ」

夏祭りなんて、ねぇ。実は浴衣も持ってるし？ 花火綺麗だし？ 予定は入ってないけど？
誘われなかったから僻んでるワケじゃないしぃ？

そもそも行くメンバーが揃わなかったのである。

「そーいや沖田くんからはお誘いなかったの？」

「はい？」

唐突に総悟の名前が出てきて挙動不審になってしまう。

「言っとくけど、お前バレバレだからな。本人に気付かれてないっぽいのが唯一の救いなんじゃねーの」

マジか、と言ったつもりが声が掠れて発音できなかった。そこまでバレバレだったとは。

なんとかしてこの話題を転換したい、あわよくば逃げたい、と思ったとき、ナイスタイミングで携帯が鳴った。

送信主は＿＿沖田総悟。

「gknmzw,psdk@:djc！？」

＿＿このクソみたいなタイミングに送信ボタン押してくれてどうもありがとう！！

声にならない悲鳴を上げてスマホを床に落とす。ゴン、と鈍い音を立てた。

「んだよ、ビックリしたぁ。あんま銀さんの寿命縮めないでくんない？」

脅迫メールでも届いたか？ とスマホを拾い上げる銀ちゃん。

「見るな天パ！ ハゲろ！」

「ぜってーハゲねーし。んで、なになに……『明日の夏祭りに来い。浴衣で来なかったらぶっ殺す。夜６時に迎えに行く』……へ〜え、ふ〜ん」

ニヤニヤとした黒い笑みを浮かべる銀ちゃん。ねぇホント殺っちゃっていいよね？

「やだやだ夜中に逢引だなんて。お父さん許しちゃう」

「どっちだよ」

めんどくさいなぁ、なんて言いながら顔のニヤつきを隠し切れない。

ドSな笑みを湛えていた銀ちゃんも、いつしか本当の父親のように優しげな顔つきになっていた。

私からの返信は一言だけ。

『迎えに来ないとぶん殴る』

これでまぁ、伝わるだろう。

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