【銀魂】転校生は幼馴染でした。【沖田総悟】

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時刻は過ぎ、夜。

浜辺に集められた私たち生徒は、肝試しの準備をしていた。

「じゃあペア作れー。不本意ながら男女だぞー」

担任の声でクラスがなんとなくまとまり始める。

うーん……誰と組もうかな。

あわよくば総悟と組みたいが、セレナちゃんがいるし。ほら今も、

「総悟く〜ん。良ければあたしとペア組もうよ！」

なんて猛烈アタックを仕掛けているのだ。恋する乙女恐るべしである。

……消去法で土方かな。

「ひっじかったくーん。ペア組もうぜー」

「うおっ！ ……あぁ、Aか。驚かせんなよ」

つーかそのナンパみたいな台詞やめろよ、と言って呆れる土方。

「えー？ 私と組むのダメなん？」

「いや、別に構わねぇけど…………ッ！」

ふと私の後ろに目を向けた土方が固まった。

「悪ぃ、やっぱパス！ 俺はマヨネーズ王国の王女と組む！」

「はぁ？」

何言ってんだコイツ的な視線を投げかけ、くるりと振り向く。そこにいたのは、

「ギャッ」

懐中電灯を顔の下にあて、鬼のような形相で土方を睨んでいる総悟だった。

光を消し私たちの方に歩いてくる。

「土方さん、坂田はマヨネーズ王国の王女じゃありやせんよ。ナンパも大概にしてくだせェ」

「わ、分かってるわ！ つつつかナンパなんてしてねぇし！」

「あり、違いやしたか？ てっきり俺ァ『ヘイ彼女、俺で妥協しない？』って言ってるもんだと思ってやした」

……口調は軽いが、表情は変わらず鬼のままである。総悟のこと追いかけてきたセレナちゃん、めっちゃ怖がってるよ。怯えてるよ。

「つーことで、コイツは俺が貰うんで。土方さんは川崎とでも組んどいてくだせェ」

「えー！？ あたしは総悟くんとがいいのにー！」

「……悪い川崎、今回は総悟を諦めてくれ。あの状態の総悟に逆らってもロクなこと無いぞ」

「むー。じゃあ土方くん、総悟くんのこと教えてよね！」

「……どうする、総悟」

「……別に構いやせん。ただ、あのこと言ったらブッ殺しますんで」

「分かってるっつーの」

何故か小声で話し出したので、私とセレナちゃんは困惑してしまった。

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