トリプルフェイスは忙しいらしい

File:14 ページ16

A「ミステリートレイン？」


安室「そう、これがそのパスリング」


A「あ、それ...」


さっき安室さんの部屋に来る前に着替えた普段着用のパーカーのポケットに入れていたリングを取り出した。


A「これですか？」


安室「っ！A君も持っていたんだね」


A「圭に面白半分に渡されたんですけどね...これに何かあるんですか？」


安室「何か面白い事が起こりそうだと思わない？」


A「そう、ですかね...？」


俺的には面倒な事になりそうだというのは伏せておこう。


安室「そうか、A君も行くのか...それなら一緒に行かないかい？」


A「はい？」


どうしてそうなった、安室さん。


普通、会って少ししか経ってない奴誘うか？誘うのか？今はそれが普通なのか？うん、分からん。あ、でも待てよ。


A「駅まで車乗りますか？」


安室「駅までは乗っていくけど？」


A「行きます(よし！RX-7乗れる！)」


車好きとしては乗りたいRX-7。あの様子だと大分手入れは行き届いてて大事にしてるのが分かる。


安室「もしかして車好きなの？」


A「大好きです！特に日本産のが！」


そう言うと勢い良く安室さんに手を握られた。


安室「そうだよね！やっぱ日本人なら日本産だよね！」


A「そ、そうですね...！」


謎の安室さんの日本愛に押され、返事しちゃったけど。外国産も好きだったりする。この前見たマスタングもかっこ良かった。


安室「じゃあこれ僕の連絡先だから」


そう言ってスマホを差し出した安室さん。


A「あれ？それ俺の...」


安室「うん、登録しておいたよ」


なんてこったい。安室さん、それ犯罪です。しかも何故パスワードが分かった。


A「どれどれ...何であむぴで入れたんですか」


安室「え？高校生の間ではあだ名で登録するんじゃないの？」


A「少なくとも俺の知ってる高校生はしません」


おい、JK。安室さんに変な高校生常識教えんな。


俺は何で登録されたんだろう、と思い安室さんへ視線を送ると察したのか画面をこちらへ向けてくれた。


安室「A君は鷹栖財閥次期社長で登録しておいたよ」


A「今直ぐ変えろ、ください」


えー？っと口を尖らせる姿が同い年くらいに見える。というかこの人何歳なんだ？


A「あの...安室さんって何歳なんですか？」


安室「ふふっ...内緒」


悪戯に口元に人差し指を当てる仕草にイケメン爆ぜろと思った俺は悪くない。

File:15→←File:13

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す