トリプルフェイスは忙しいらしい

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A「如月Aです。訳あって春からの登校は出来ませんでしたが、これからどうぞよろしくお願いします」


深々と頭を下げるとクラス中が好奇の目で俺を見ていた。


A「(いや、分かるよ？俺もこんな変な自己紹介する奴興味持つと思うし...だけど何で眼鏡とカラコンと髪の色も変える必要ある！？)」


そう俺は今、6月という微妙な季節からの訳アリ転校生として紹介され、その見た目を生まれ持った目の色と髪色から全く別物へと変えられていた。


A「(俺が何をしたァァァ！？ちょっと兄の用事(嫌々)手伝っただけじゃん！？それなのに何で二ヶ月も拘束されなきゃなんねーんだよ！？)」


表面上は笑ってるけど内心荒れ狂ってるからな、おい。と、何やかんやあったけど無事(？)登校初日を迎えた俺である。


先生「みんな、聞きたい事あると思うけど後でね〜。えっと、如月君の席は...毛利さんの隣ね！」


A「(毛利さん？...誰だ、どいつだ？あ、あの子か...あの鋭そうな髪型の)」


先生の声に反応して手を挙げた子は感じの良さそうな女の子だった。


A「よろしくお願いします、毛利さん」


蘭「毛利蘭です。折角隣同士なんだし敬語いらないよ！」


A「そう？じゃあ...よろしくな、毛利」


蘭「うん！」


毛利は気遣いの出来る女子力高い系女子だな、うん。だけど何か引っ掛かる。


A「(毛利って何処かで聞いたような...まぁ、気の所為か)」


この時俺は深く考えずに流してしまった事を後で後悔する事になるとは思っていなかった。


ーーーーー
A「あぁぁぁぁ...疲れた」


蘭「みんなの勢い凄かったもんね...」


転校生恒例の質問攻めがやっと終わり、机に突っ伏していると毛利の苦笑が聞こえた。


？「しっかりしなさいよ！」


A「...誰？」


毛利の横に立っているヘアバンドにちょっと高飛車な物言いの女の子。


A「(あ、何かコイツは知ってる気がする)」


園子「蘭の親友の鈴木園子よ！」


A「(そうだ、鈴木財閥の令嬢だ...)よろしく、鈴木さん」


園子「よろしく次いでに、アンタ今日ちょっと付き合いなさい」


A「へ？」


園子「コレよ！コレ！今日ポアロで限定のケーキがあるんだけど男性限定なのよ！」


A「...(安室さんや、何故そんな面倒臭いものを...)」


園子「だから！転校祝いに食べに行くわよ！」


蘭「ゴメンね...園子が」


A「ううん、楽しみだ...(面倒なことこの上ないがな...。)」

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