そっくりさんいらっしゃい

第六話:占いとか見ると碌なことがない ページ8

銀時「しまったァ、今日ジャンプの発売日じゃねーか。今週は土曜日発売なの忘れてた、引き返すか」


新八「もういいでしょ、すき焼きの材料は買ったんだから」


A「お前まだそんなもの読んでたのか」


結局Aの車を運転するのを拒否した銀時はスクーターに三人乗りで二人がノーヘルという交通規則も真っ青な運転をしていた。


銀時「そんな物って何！？確かにジャンプ卒業するいい機会かもしれねェ、いい年こいて少年ジャンプってお前...いやでも男は死ぬまで少年だしな...」


新八「スンマセン、恥ずかしい葛藤は心の中でしてください」


A「銀、それよりちゃんと前見ろ...あっ」


ウンウンと頭を抱えて葛藤する銀時の前を見て何かに気付いたAは捕まっていた新八の肩から手を離すと飛び降りた。


新八「えっ！Aさん！？」


銀時「え！？何！？って、あぶね！！」


A「あーあ」


ドンッ！！と鈍い音がした銀時のスクーターの先にチャイナ服を着た女の子が倒れていた。


新八「あ"あ"あ"あ"あ"！！轢いちゃったよちょっとォォ！！どうすんですかコレ！！あんたよそ見してるから...しかもAさん！何一人だけ逃げてんですか！！」


銀時「騒ぐんじゃねーよ、とりあえず落ち着いてタイムマシンを探せ」


新八「あんたが落ち着けェェェ！！」


自販機の取り出し口に頭を突っ込んでいる銀時に近寄ったAが更に頭をめり込ませた。


A「元はよそ見してたてめェが悪いんだ。ほら、こうするとよく見えるだろ？」


銀時「いだだだだだ！！めり込んでる！外れなくなっちゃうから！！」


A「丁度良いじゃねェか、こいつと一緒にここで住めよ。お似合いだぜ？」


銀時「どこが！？」


新八「そんな茶番いいですから！こっちどうにかしてくださいよ！！」


自販機(A)の呪縛から開放された銀時は少女に近付くと今朝の占いがどうだ、あーだこーだ言いながら少女の肩に手を付いて上向かせた。すると少女から赤い液体が流れ出た。


A「あ、血...むぐっ」


それを見て固まった銀時は慌ててAの口を塞ぐと少女を新八の背中に縛り付けAを足元に座らせるとスクーターを走らせた。


銀時「お目覚めテレビィィィィィィ！！てめっ、もう二度と見ねーからなチクショー！！いやでもお天気お姉さん可愛いんだよな」


A「おい、狭ェ」


銀時「我慢してェェェ！」


A「はぁ...(面倒なことになった)」

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