そっくりさんいらっしゃい

第十九話:届け物は最後まで責任を持って届けろ ページ23

A「何か用かァ？」


飛脚「こ、これ...」


倒れ込んでいる飛脚の男は銀時へ一つの包みを差し出した。


飛脚「これを...俺の代わりに届けてください...お願い」


銀時「ん？」


飛脚「何か大事な届け物らしくて、届け損なったら俺...クビになっちゃうかも」


A「そんなもん知ら...ムグッ」


銀時「はーい、Aちゃんは黙ってようか...痛ッ」


不服にも発言の途中で口を塞がれたAは銀時の足を踏み付けながら銀時が渡された物を見ようとそれを覗き込んだ。


飛脚「お願いしまっ...」


銀時「おい！！」


そう言い残して気を失った飛脚の男に呼び掛けるが全く目を覚まさない男に銀時はどうするよと助けを求めるようにAの方を見てきた。


A「はぁ...(...面倒な事になりそうだな)」


助けを求められたAは包みの宛先を思い出して大きな溜め息を付いた。


ーーーーーーー
(大使館前)


銀時「ここで合ってんだよな」


神楽「うん」


新八「大使館...これ犬威星の大使館ですよ」


A「何で俺まで...」


銀時「何言ってんの、俺とAちゃんは一心同体でしょーが」


A「こんなどうしようもない天然パーマのプー太郎と一心同体扱いとは...心外だな」


銀時「ゔっ...そんな真顔で言われると余計傷付く」


傷付いたという風に大袈裟に胸を抑えて俯く銀時とそれを見て鼻で笑うAを見て新八は呆れた眼差しを向けていた。


新八「犬威族っていったら地球に最初に来た天人ですよね」


銀時「ああ、江戸城に大砲ブチ込んで無理矢理開国しちまったおっかねー奴らだよ。嫌なとこきちゃったなオイ」


A「あんなのただの犬っころ共だろうが」


新八「ちょ、Aさん！そんなこと言ったら...」


？「オイ」


銀時·新八·神楽「？」


A「あﾞ？」


話しかけてきた人物に対して他三人とは違いガンを飛ばすAを宥めながら後ろを振り向いた。


犬野郎「こんなとこで何やってんだてめーら、作者諸共食われてーのか、ああ？」


A「作者...」


銀時「Aちゃん、そこはいつものところだから突っ込まないの」


毎度の事ながら反応するAにコソッと耳打ちする銀時の横で若干顔を引き攣らせながら新八は犬威族へ話し掛けた。


新八「いや...僕ら届け物頼まれただけで」


銀時「ほら神楽渡...」


神楽「チッチッチッおいでワンチャン、酢昆布あげるヨ」


犬威族を犬扱いする神楽をスパン！！と銀時が頭を引っ張叩いた。

第二十話:他人の敷地にゴミを投げるとバチが当たるらしい→←第十八話:仕事は投げ出しても人生は投げ出すな

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す