銀と淡雪【坂田銀時】 (ページ29)

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……。

…え、なに？これ俺が悪いの？

そんなことないよね？

「っ！！クロちゃん！！！」

噛みつかれた反動で緩まった手から逃げ出したのか、ものすごいスピードで逃げていくクロ。

それを咄嗟に追いかけていったAに続いて、俺達も走り出した。

(…、こんなに足速かったのか)

Aも人工的に作られたとはいえ夜兎の端くれ。

普段はおっとりしているように見えて、その身体能力は高い。

その足の速さについていくのに精一杯だった。

「A！待て！」

「A！ちょっと待つアル！そっちは＿＿っ、」

路地を抜けたその先。

見えてきた光に冷や汗が伝う。

そのまま抜ければ、あるのは大通りだ。

嫌な予感が拭い切れず、声を張るもAにはまるで聞こえてねェようだった。

「A！！」

手を伸ばすも届かず、細い路地を抜けた大通り。

日の眩しさに目を細めた先に、映るのは。

「＿＿＿、」

Aの小さな背中と、すぐそこに迫った黒い車。

まるでスローモーションのように流れる景色に、血の気が引くのが分かった。

「Aさん危ない！！！！」

刺さるようなクラクションの後、ドン、と嫌な鈍い音。

ざわつき始めた辺りの声に、俺はただ立ち尽くしていた。

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