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「そりゃあんなもん大量に食ったら腹も壊すっての」
「……すみません、」
突然立ち止まると腹が痛いと言い出したA。
…思い当たる節しかねェ。
万事屋までの道のりはそんなに遠くないからと、青ざめるAを背負って歩いた。
にこにこパクパク食ってたから、ダークマター耐性でもあるのかと思っていたが、舌は騙せても胃は騙しきれなかったらしい。
「…でもお前ほんと、よくあんなに食ったよな」
「…そんなに口に合いませんでした？」
「いや、姉上のアレは口に合わないとかいうレベルの話じゃないと思うんですけど…」
「……嬉しかったんです。私達のために作ってくれたんですもん、そんなの何だって美味しいです、」
うう、と腹痛を我慢しながら呟いたA。
俺たち3人はその言葉にはっとして、顔を見合わせた。
「人が自分のために作ってくれたご飯なんて、食べることなかったから…」
新八が困ったように笑うと、背中のAを優しい目で見つめていた。
「……お前は、優しすぎんだよ」
背中で唸っているAに聞こえていたかは知らないが、そう小さく呟くと、俺の首に回る手が少しだけきつく締まったような気がした。
「これからは、飯なんざいつでも俺らがお前だけのために作ってやらァ」
「…！ほんとですか、」
「本当ネ！卵かけご飯は任せるアル！」
「神楽ちゃん、それ料理って言わな…」
「うるさい駄メガネ！卵かけご飯だって立派な料理ネ！」
「メガネ関係ないでしょ！？」
「ふふ、楽しみにしてます」
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「ま、その前にまずは腹を治せ」
「はいい…。あ、ちょっと波っ……痛みの波が…」
「Aチャン！？やめろよ、もー少しの我慢だからな！出すなよ、出すんじゃねーぞ！」
「銀さん早く…」
その後ダークマターをたくさん食したAの腹は、当分下り続けた。
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作者名：日向 | 作成日時：2020年10月10日 23時
