今日:7 hit、昨日:21 hit、合計:103,098 hit
小｜中｜大
18 ページ18
.
「……ほら、新八、神楽、もー行くぞ、こんなとこにいたら日が暮れちまう」
「おー行け行け、仕事の邪魔だ」
「Aも、まだ買うもん残ってんだろ」
「はい！」
「…いい返事なこって」
律儀に真選組の二人に会釈をするとすぐに、神楽に手を握られて前を歩くA。
その表情には、消えちまいそうな儚さも、寂しげな笑みも、哀しい瞳もなかった。
「銀さん、Aさんの表情、なんだか明るくなりましたね」
「…そーだな、」
新八ィ！と神楽に呼ばれて駆けて行った後ろ姿を目で追う。
「じゃーな、税金泥棒。俺は生憎忙しいんでね」
「誰が税金泥棒だ」
「旦那ァ、せいぜい頑張って下せェ。……アイツはどうにも危なかっかしそうでいけねェ」
「へーへー」
ひら、と手を上げて3人の背中を追う。
_____言われなくても、護ってやらァ。
やっぱり沖田くんは、何か感じ取ったようだった。
Aの抱えてるもんは、とても一人で持ちきれるようなもんじゃねェ。
「銀ちゃーん！早くー！」
「銀さん！行きますよ！」
「ハイハイ、るせーな、全く」
神楽と新八の間で微笑んでいるAの涙をもう見ることがないように。
そう強く誓って、アイツらの元へと歩き出した。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 153人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：日向 | 作成日時：2020年10月10日 23時
