【黒子】赤司家の妹がグレました。

No.21「…母さんに、にてた」 ページ24

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家の騒動が会って以来、兄の泣きそうな顔が忘れられない



「…マジ意味不明だわ」



でも、あの人のあの時の顔が





「…母さんに、にてた」




そもそも私たち双子が母さんに似ているからなんだけどね。





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「…？」


足元に、キラリと光る物



キーホルダー？のわりには、手作り感満載、というか

あまり綺麗なものではない



「…なにこれ。」




じっと凝視してみる。




【これね、Aがつくったの】


【じょうずにできているね、さすがぼくのいもうとだ】


【じゃあ、これ、征にいにあげる！】




【ありがとう。たからものにするよ】




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頭をよぎったのは懐かしい光景。


何歳の頃だろうか、本当におぼろげにしか記憶がない




「…あいつなんでこんなの持ってんだか」



さっさと捨てればいーのに。





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そして今日も、

廊下ですれ違う。



たぶんまたグチグチ言われるのかな




「……ねえ、」


「！！」



珍しく、こちらから声をかけてみた

案の定、紅い目を丸くさせている



「…これ、あんたのでしょ」




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少し戸惑いながら、目の前の片割れは受け取る。



「(なんで今日何も言わないの、こいつ)」


何かを言ってほしいわけじゃない。ただ、いつもと違う空気に違和感を感じる。




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「……ありがとう、A」



微笑んだ兄が、幼い頃と同じ、優しい兄に見えた。



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