短編集【イナズマイレブン】 (ページ2)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:370 hit

【風丸一郎太】ページ2

無印時代です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

風丸side

練習が終わり、俺はバックを取りに自分の教室に戻っていた。

ガラッと教室の扉を開けると、

「お、風丸じゃん。部活終わり？おつかれ～。」

Aがいた。

Aとは1年の時からクラスが同じだ。
席替えで席が隣になる事も多く、「また隣か～」と笑い合うことも何回と繰り返したことか。

「あぁ。そういうAは勉強か？」

Aの机には教科書やノートが置いてあった。

「うん。ちょっと今日の授業でわからなかったことあるからさ。」

「え、偉くないか！？俺そんなことしたくないぞ！？」

「ふふっ、でしょ～？」

そう得意げに笑うA。
その笑みに俺の胸がキュンと鳴った。

俺はAが好きだ。
いつから好きになったのかはわからない。気がついたら好きになっていた。

「風丸、明日フットボールフロンティアの優勝試合らしいじゃん。」

「あぁ！いよいよ明日は優勝試合なんだ…って…どうした？A？そんな顔して…」

Aはさっきとはうってかわって暗い顔をしていた。

「…風丸、本当に世宇子と戦うの？」

そう言うAは少し震えていた。

Aはこの前の帝国と世宇子との戦いを見ていたから、俺たちを心配してくれているらしい。

俺はそんなAの頭をぐしゃぐしゃと撫でた。

「わわっ！いきなり何する…！！」

「大丈夫だ、A。俺たちは絶対に優勝する。」

「…！！」

そう俺が断言すると、Aは目を見開きながら頭をバッと上げた。

「……そうだね、そうだよね。風丸なら…雷門なら世宇子にも勝てるよね。」

そう言ってAは笑った。

「あぁ…絶対に優勝する。だから、A」

「ん？」

「俺、優勝したらAに言いたいことがあるんだ。だから…待ってて欲しい。」

「…うん、わかった。待ってる。」

キーンコーンカーンコーン

ー最終下校時間となりました。学校に残っている生徒は…

「…もうそんな時間か。帰るか。」

「…そうだね。」

そう言って、Aと一緒に帰った。

そして、帰り道の別れる所で

「風丸、明日頑張ってね。私、応援してるからね！！それと…待ってるから。」

と言われた。

好きな人に応援されて嬉しくない男がいるだろうか。
俺はニヤける顔を手で抑えながら歩き出した。