八話 賭け ページ10
これまで何人もの人間を殺してきたんだ。
何もしていない相手に殺される痛み、少しだけ分かった。
でもさ、このまま殺されるのはちょっと心残りがあるかなあ。
足で男を蹴って、鉄拳を手に持った。
表情は見えない、なにを考えているのかは明確だけれど。
「すっごい殺気、名前くらい教えてよ」
「…立花仙蔵」
相手は火薬の武器であろう物を構えて、火種を付ける。
距離を取るか、だが攻撃は出来ない。
何故か心臓は痛くならなかった、問答無用で顔面を殴ったがよけられて木に当たる。
鈍い音とともに木が揺れた。鉄拳が突き刺さり、木の皮が抉れ、熊が付けた後のような傷がつくのが見える。
舌打ちをして、また走り出すと火がギリギリまで近づいた火器を投げられた。
マズい。
咄嗟に後ろへ身を引いて、地面に手をつき身体をかがめた。
火器は空中で爆発し、黒い煙が辺りを満たす。
これが隙と見たのか、立花は私の方へと現れて鉄の武器を振りかざしてきた。
頬を掠めてギリギリで地面へと腕は向かう。
逃げた方がいい、自分の本能が訴えている。
逃げても立花は追いかけてくるだろう。相手は忍者だ、圧倒的な力の差。
勝てるはずがない。
「あー、もう、降参降参。負けました」
「分かればいい、さっさと殺されろ」
「それはちょっと困るかなあ、ねえ」
刃物を構えて殺意むき出しの彼に、ニヤリと笑って告げた。
「賭けをしないか？」
「賭け…？」
「ああ。私がこの学園に歯向かうようであれば殺して構わない。
私が最後まで歯向かう事が無ければ、お前は私を殺してはいけない」
「…良いだろう」
結局は、利害が一致しただけなんだけどね。
歯向かってはいけない…他の奴らが襲ってきたら攻撃してはいけないとか、無理に等しいのだけれど。
流石に動きすぎたか、息が上がっている。首はまだ苦しくて、頭が朦朧とした。
「おい、立てるか？」
「優しくされる気なんてないから」
即座に立ち上がり歩き出す。
賭けをしたからと言って、仲良くするつもりは微塵もない。
部屋に戻ろうとすると、また誰かに襲われた。
「今度は誰？」
見えたのは黒髪。久々知の姿だ。
腕を掴まれて足止めされる。廊下で襲われると、ちょっと面倒。
「Aさん、少しお話しませんか？」
薄っぺらく笑っている。拒否したらどうなるんだろうね？
「わかった」
腕を強く握られて、そのまま裏庭へと連れていかれた。
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みこち(プロフ) - 銀鬼のサブさん» 有り難う御座います、因みに今は、ブリーチと妖怪ウオッチのクロスオーバーを書いています。まだ途中ですが、書きながら笑ってます(思い出して) (2021年5月28日 21時) (
レス) id: e0b3c2b120 (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - 初めまして。みこちと申します。素晴らしい作品です。私も兵庫水軍と鬼滅刃や犬夜叉とのクロスオーバー書いてますが、大変魅力ある夢主です。楽しみにしてます！出来ましたら是非お越し下さい。 (2021年5月13日 9時) (レス) id: e0b3c2b120 (このIDを非表示/違反報告)
輝羽(プロフ) - 見ていると話に見入ってしまいました。友人にも勧めてみたらその人もこの物語や銀鬼さんのファンになっていました。(私も) 応援しています！ (2021年4月5日 17時) (レス) id: df4ce87693 (このIDを非表示/違反報告)
星波 きらら(プロフ) - ^_^さん» その言い方は無いと思います。主は文才アピールなんてしなくても滲み出る文才があると思いますよ。貴方のせいで占ツクの民度が下がるんです。嫌なら見るな。それしか言えません。モラルを守ってネットを使いましょう。 (2021年2月15日 23時) (レス) id: 0560786132 (このIDを非表示/違反報告)
凛／月影／霖(プロフ) - 新作おめでとうございます！江戸時代からのトリップなんですね！どんな風にことが進むのか楽しみです！更新頑張って下さい！！ (2021年1月1日 23時) (レス) id: 0b140bf78a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：銀鬼 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ginki/
作成日時：2021年1月1日 18時
