死なせてくれない死神さん (ページ5)

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五話　被害者の居場所ページ5

僕は、よく女の子ぽいって言われる。理由はおそらく、可愛い物好きっていうところと

中世的な顔立ちからだろう。言われるだけならいいけども。

進級してから同級生にそれを馬鹿にされ、虐めれるようになってしまった。

手始めにものが壊される。直せないくらいぐちゃぐちゃになって帰ってくる。

授業中や休み時間には紙屑を投げられる。これ結構精神にくるよ？

精神が病みきった僕は自殺をすることにした。

雑木林の木に市販のロープを括り付けていると、誰かに首を絞められた。

抵抗して手を振りほどき相手を見た。立っていたのは女の子で、ショートカットに真っ赤な瞳。

綺麗な彼女の目には狂気が感じられた。どこか寂しそうな彼女は口を開いた。

「君は死にたいんでしょ？だから木にロープを括り付けているんだ。
　でもね、そんなに細いロープじゃあ長く苦しまないと死ねないの。
　死ぬ時は楽に死にたいでしょ？」

「ねえ、楽に死にたいんだけど、どうすればいいのか教えてよ。
　町で噂の死神さんでしょ？」

「死にたいなら私が殺してあげるからね。それが1番楽だと思うよ。」

「僕に居場所なんてないから殺してよ。」

僕はそう言って無理に笑ってみせた。きっと不細工なんだろうけど。

「､､､､､､君に居場所あると思うよ。君はセンスがいいものね。
　壊されたものを君はいくらかでもと直しただろう？手先が器用だからそれを活かせると思うよ？」

「君はそんな事を言ってくれるの？嬉しい。なんだかやれる気がした。」

「ねえ確認のために聞くけれど、君は死にたい？」

「いや、可能性を試してから死ぬよ。今は死にたくないね。」

「ふーん。じゃあまたね。」

「バイバイ。」

「､､､､､､バイバイ。」

そういうと少女は寂しそうに笑って消えてしまった。空気に溶け込むように。

僕はロープを片付けて家に帰った。
　

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