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四話 死への恐怖 ページ4

「はーだる。」


家から持ってきたナイフをクルクルと回した。


こんな雨の日に雑木林に来た理由は自 殺。生きることに疲れたと言うか。


どこに刺せば1番楽かな、なんて考えていると心臓部分にナイフが当てられた。


俺は反射的に後ずさった。


「死にたそうだったから殺してあげようと思ったのに。」


悪びれもせずに少女は答えた。


「お前、誰。」


「それを聞いてきた人はいなかったね。
 私は死神のルカ。みんなを死へと導くのが仕事。」


「でも、あんたに会うと死ねないって聞いたことがあるけど?」


「生きることを選んだのは本人。無理に生かす気は無いよ?」


「ふーん。あんたが俺のところに来たってことは俺は死ねるんか?」


「え、君さっき後ずさったじゃん。怖く無いの?」


「あれは反射的にした行動。」


ふーん、というと少女はふわりと移動した。


彼女が視界から消えた次の瞬間、俺の喉には鎌が添えられた。


「ねえ、怖い?」


怖いに決まってるじゃ無い。だって喉に刃物が添えられているのだから。


「怖い、です」


「君はこれを怖いって言った。これ、私が鎌を動かしたら君は死んじゃうよね。
 直訳すると君は死ぬのが怖いんだ。」


「なあルカさん。俺はまだ生きたいんやろか?」


「あら迷えるっていい事。選択肢があるんだからね。無駄にするのはもったいないな。」


「、、、、、、死にたくなったら殺しにきてください。」


「え、君も生きるのか。また死ねなかった。まあいいや。
 死にたくなったら呼んでね、一緒に死んであげるから!」


少女は雨と共に消えた。


雨が止んだ空には綺麗な虹がかかっていた。


五話 被害者の居場所→←三話 自己暗示の大丈夫



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若草 翠 - 水無月歌乃@しばらく浮上無しさん» ありがとうございます!!!そういっていただけ光栄です! (2022年8月3日 15時) (レス) id: 4cbe8909de (このIDを非表示/違反報告)
水無月歌乃@しばらく浮上無し(プロフ) - え,めちゃくちゃ面白いです。素敵なお話でした〜! (2022年8月3日 14時) (レス) @page5 id: 4e0be9540d (このIDを非表示/違反報告)
若草翠(プロフ) - 海野 雫石さん» まあ結構シンプルですよねぇ、、、、。がんばります! (2022年7月19日 20時) (レス) id: 5048ac8e22 (このIDを非表示/違反報告)
若草翠(プロフ) - シラスさん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2022年7月19日 20時) (レス) id: 5048ac8e22 (このIDを非表示/違反報告)
海野 雫石 - 話の作りがシンプルで大好きです! (2022年7月19日 20時) (レス) id: eb5687ccc1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:文章→若草 翠  イラスト→天空 碧 x他2人 | 作者ホームページ:No.  
作成日時:2022年5月16日 10時

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