よんじゅうろく。 ページ47
◇
『……ねえ、マレウス先輩』
「なんだ？」
『私のいる世界を見つけ出して、こうして来てくれたってことは……ツイステッドワンダーランドに迷い込む前の世界にも行ける、ってことですか？』
「ふっ。そのようなこと、糸を紡ぐよりも容易い」
『じゃあ私を元の世界に帰してくださいよ』
「何故だ？ お前のいる世界はこの世界だろう。それに……」
『？』
マレウスはAの手を引きオンボロ寮の玄関までやってくると、身を屈めAの耳元で
「僕がお前を手放すはずがないだろう」
と囁いた。
◇
後日。Aはハーツラビュルで開かれたお茶会でトレイの作ったケーキを食べていた。
イチゴのショートケーキを一口食べると、会ったことのないトレイと張り合っていた佐藤のことを思い出して、思わず小さく笑う。
滅多に柔らかく笑わないAの笑顔を見たリドルたちは、時が止まったかのように動きを止めた。
リドルたちがポカンとしている間、Aはあちらの世界で過ごしたことを思い出していた。
江戸という町。天人。攘夷志士に侍。
そして輝く銀色の髪。
『…………あ。やっとわかった。あの世界は銀魂の世界だったんだ』
過ごした時間は短くとも、忘れることはない。
あんなに賑やかで楽しい日々を過ごした世界を、忘れられるはずがない。
捻れた世界の少女は銀色の夢を見る -完-
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 310人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ここ(プロフ) - れいなそんさん» れいなそんさん、コメントありがとうございます^ ^更新が不定期で申し訳ありません…！本日更新いたしましたので楽しんでいただけると嬉しいです。 (2021年6月20日 9時) (
レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
れいなそん - ｱｯ神作やぁ…一体誰が呼んだんだろ…続きが気になるんじゃ (2021年6月20日 8時) (レス) id: 509e7f7d74 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - RENKAさん» RENKAさん、面白いと言ってくださりありがとうございます。一体誰が呼んだんでしょうか…？次の更新をお楽しみにです^ ^ (2021年5月7日 7時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
RENKA - めっちゃ面白いです！一体誰が呼んだんだ？？気になる…！！ (2021年5月6日 23時) (レス) id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 雪見大福さん» 雪見大福さんコメントありがとうございます！さてさて、一体誰でしょうね？？^ ^ (2021年5月4日 8時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ここ
| 作成日時：2020年12月17日 13時
