よんじゅう。 ページ41
◇
「このおじさんが作ってるの？ んー……でも持って帰るならAがいいかな」
『佐藤さーん、私テイクアウトされちゃいそうなんですけど』
だから早く助けて、というか助けろ。とAが強い眼力を飛ばすと佐藤はビクッ、と身体を震えさせおずおずと神威の前にやってきた。
「お客さん、すみませんがうちの店員はテイクアウト不可となっております……」
「そう？ じゃあしょうがないか。また会いに来るね、A」
「『え？』」
Aと佐藤はてっきり「言うこと聞かないならこの店壊しちゃうね」なんて言われると思っていたのだが、神威はあっさりとAを地面に下ろすと頭を撫でて店から出て行った。
思っていたよりも常識人なのだろうか。いや、常識人なら初対面であるAを未遂で終わったが連れて行こうとしないだろう。
『なんだったんですかね、あの人』
「とりあえずAちゃんが無事でよかったよ〜」
『佐藤さん、私のこと見捨てようとしましたよね』
「ええっ！？ な、なんのことかな？ あっ、そ、そういえば18時に配達の予約が入ったんだよ。それまでAちゃん休憩してていいからね、うん、ここはおじさんに任せなさいっ」
『……はーい』
あ、これ誤魔化したな。とAは思ったが、せっかく休憩をもらえるのなら喜んで貰っておこう。
配達のある時間まではあと2時間はある。
窮屈なメイド服を脱いで部屋で横になっていよう。
Aは店を佐藤に任せて、部屋に戻った。
『あ、レオナ先輩からメッセージきてる。えーとなになに……』
届いていたレオナからのメッセージ。
そこには【抱き枕がないとぐっすり眠れないから早く帰ってこい】。
『私は枕か。というかメッセージ届いた時間思いっきり授業中じゃん。あの人またサボってるの』
レオナらしいと思いながらもAは布団に横になり、目を閉じた。
◇
「それじゃあこれをお願いね」
『はい』
17時30分。Aは佐藤から配達のケーキが入った箱と、地図が書かれた紙を預かり店を出た。
季節はもう冬に近い。日が沈むのも早く、辺りは薄らと暗くなっていた。
『さっむ……。早く配達してこたつに入りたい』
剥き出しの太ももに触れる外気が冷たい。
Aは自然と早足になっていた。
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ここ(プロフ) - れいなそんさん» れいなそんさん、コメントありがとうございます^ ^更新が不定期で申し訳ありません…！本日更新いたしましたので楽しんでいただけると嬉しいです。 (2021年6月20日 9時) (
レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
れいなそん - ｱｯ神作やぁ…一体誰が呼んだんだろ…続きが気になるんじゃ (2021年6月20日 8時) (レス) id: 509e7f7d74 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - RENKAさん» RENKAさん、面白いと言ってくださりありがとうございます。一体誰が呼んだんでしょうか…？次の更新をお楽しみにです^ ^ (2021年5月7日 7時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
RENKA - めっちゃ面白いです！一体誰が呼んだんだ？？気になる…！！ (2021年5月6日 23時) (レス) id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 雪見大福さん» 雪見大福さんコメントありがとうございます！さてさて、一体誰でしょうね？？^ ^ (2021年5月4日 8時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ここ
| 作成日時：2020年12月17日 13時
