【ワールドトリガー】守備無用 (ページ1)

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ぷろろーぐ！ページ1

「会わせたい人、ですか?」

長い通路を歩きながら三雲修が聞いた。

「そ、きっと気に入ると思うよ。なんたってウチのお姫様だからな。」

頭の後ろで手を組み呑気に話す迅悠一。

「ウチって…玉狛のですか?」

「まだメンバーがいたのか?」

ひょこっと三雲修の横から顔を出したのは空閑遊真。

そして

「そ、それって男の人ですか、女の人ですか?」

その後ろを歩く雨取千佳。

「んー?違う違う。“ココ”の。「お姫様」って言うんだから女の子に決まってるでしょー。」

腕組をやめると笑って床を指すような動作をする迅悠一に三雲修と雨取千佳が驚く。

「ココって…ボーダー基地!?」
「あ、そっか…;」

遊真は興味があるのかないのか、ただ目を細めるだけだった。

この４人が向かう場所は

「え、ここって…?」

ランク戦が行われるロビーだった。

いつもより賑やかなロビー。

モニターには誰かが戦っている。

１人は女性＿＿というには遠い“少女”がいた。

「あの子がココのお姫様、鈴音Aちゃんでーす♪」

大きいマントに身を包む少女ことA。

その相手は…

「お、緑川じゃん。」

緑川駿。

屋根を伝って移動する２人だがAの方は肩を押さえて移動している。

『しつこ～い緑川さん。』

「そっちが逃げてばっかだからでしょ!」

『オーケー、んじゃそろそろ反撃。

弧月。』

武器を出すとクルンと方向転換をして緑川に突っ込んだ。

「ぅわっ!」

いきなりの突進にバランスを崩した緑川を見てAが武器をしまった。

「あれ…反撃しないのか?折角のチャンスなのに。」

ポツリとそれを見ていた三雲修が呟いた。

それに笑う迅悠一。

「いや、あれがあの子の戦い方なんだよ。」

『アステロイド』

「!?」

「えっ?あの…あの人射手なんですか?さっきまで…」

「アイツは簡単に言うと“かなり面倒な完璧万能手”だな。」

「パーフェクト…オールラウンダー…」

『みどりん獲ったァ‼』

勝利を確信した笑顔を見せたAだが攻撃が当たる前に聞こえた言葉。

「“グラスホッパー”…」

横から感じた気配に

Aの身体が変形した。