gin and tonic [kym×hkt] (ページ15)

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「ホクトって本名なんでしょ？なんて字でかくの？」

「まぁ...北斗七星の北斗ですね」

「へぇー、めっちゃオシャレじゃん。俺なんかユウゴだよ、ありきたりすぎない？」

「いいじゃないですか、スタンダードなほうが」

フロアが盛り上がりを見せる中、カウンターの隅で仕事している俺に、よく話しかけてくる人がいた

彼はユウゴと言うらしく、専務として会社を纏めていると聞いた

「うちは社長がポンコツだからさ。人の下で働きたくないから会社興したとんでもない奴なのよ。」

そう言えば社長と話してないな。マスターとかは挨拶くらいしたんだろうけど...まぁバイトの俺には無関係か

「専務で20代後半だったら、社長もお若いんですか？」

「そうだね。俺と同世代だよ、呼んでこようか」

「あっ、大丈夫です。興味な...お忙しいと思うので」

あっぶな。興味ないんで、とか言っちゃうとこだった。
ふとした時に思った言葉を発してしまうのは俺の悪癖

「あはは、興味ないよね。正直でめっちゃおもろいわ。...ちょっと待ってて」

なんだよそれ...俺はなんか気に入られたらしく、手をこちらに差し向けるジェスチャーで改めて"待て"を指示された