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「お待たせお待たせ」
その声に顔を上げる
「大我...さん」
「やっほ。びっくりした?」
びっくりどころじゃないよ。心臓飛び出るかと思った。しかも紺のスーツがいやに似合ってて
「しゃ、社長だったんですね、」
努めて冷静になろうと手元を探す
「ねぇ高地、この子顔見て喋んないでしょ?」
「あ、そうだねぇ...確かに」
「ちゃんと顔見て喋んなきゃだめだよ、」
「...はい、」
...何いきなり説教されてんだ俺。こう言う仕事してると一定数いるんだよな、説教してくる奴。将来は考えてんの、とかさ。そんなもの俺の勝手だから放っておいて欲しい。顔見ないで接客しててもクビにされてないんだからそれが答えじゃん。成立してんだよ。
なんかサーっと気持ちが冷めていくような気がした。...冷めてく、というのはもともと熱されていたということか?それはそれで気持ち悪いな、俺
「...ごめん、説教とかうざかったよね。忘れて。」
「表情わっかりやすいなぁ。絶対大我が怒らせたじゃん。てかお前が他人に謝ってんの久しぶりに見たわ」
「うるせぇ、コーチはあっち行ってて」
ユウゴさんは"はいはい、"と呆れたように笑ってその場を離れていく
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作者名:向日葵 | 作成日時:2022年8月3日 22時